2012.02.01
五感で愉しむパリ - Vol.11 恋愛の着地点
いつもの事ながら、カップルで溢れる街パリ。
そして物思いにふけるのにぴったりな趣のある場所もそこかしこ。
だからという訳ではないけれど、この頃良く考える日仏結婚観。
フランスにおける日本とは異なるいわゆるカップルであるということの意味。どこ
の国であれ全く同じ2人は存在しないので比較も何もないとはいえやはり気になり
ます。
すでに皆様もご存知のように婚外子が過半数を超えるフランス。とは言え必ずしも
母子家庭が多いと言う意味ではなく、はたから見れば普通の夫婦に見える2人が未
入籍のまま子育てしているだけなので決して女性を妊娠させて男性が姿をくらます
訳ではありません。
ではなぜ入籍しないのか。いわゆる若い世代の考えでは今や2、3組に1組の夫婦が
別れに至るのでそもそも手続きが複雑な結婚をする意味が無いとか。最近は昔より
は早くなったそうですが、それでも手続きに半年も掛かるという話も。確かに大変
そう。
他にも事実婚であっても一定の手続きを踏めば税金が法律婚と同等に扱ってもらえ
るため結婚のメリットがよく分からないとのこと。
とは言え日本では事実婚に留まっていると、親や親戚に心配させてしまうなどそう
簡単にはいかないところも。最終的には当人同士の問題とはいえ結婚式も当事者の
みならず、両親や周囲への感謝の場でもあることから一定の意味はあるかと思いま
す。
日本での『付き合っている』の意味は必ずしも一緒に生きて行くの意味までも含ま
ない事も多く、婚約でもしない限り周りもそう見ているのではないでしょうか。そ
れに対しフランスでのそれは関係を公にして周囲がカップルであると認識している
場合、その2人がその後法的に入籍するかどうかよりカップルであることそのもの
に重点をおいています。
日本では入籍により初めて社会的に認められるというか、けじめをつけたような所
があり、単なる同棲は男性側はともかく女性側にとってはむしろ評価を下げるとい
う性格があるように思います。
結婚を機に仕事を辞めることを『家庭に入る』と表現する日本。それに対し、結婚
と退職は結び付かないフランス。日本人女性としては専業主婦になるのが夢という
考え方はじゅうぶん成り立つと思のですが、今のフランスでは共働きが基本なので
この考え方はまず受け入れられないでしょう。特にパリは住居費、外食などの生活
費や税金が高いので共働きでないと現実問題として成り立たない事情もあります。
フランス女性は結婚後も自立を続けた状態であるが故に離婚の選択肢を持てるのだ
とすれば、日本の専業主婦は戻れる実家があるか、いつでも社会復帰できるような
手に職を持った主婦しか離婚の選択肢は無いようにも思えます。そもそも必要な選
択肢なのかどうか。
他の国のことは分かりませんが、フランスでは結婚前のステップとして同棲が位置
しており、女性側もそれを望んでいるようです。
しかしあるデータによると同棲期間3年を超えて結婚したカップルはそれ以下で結婚
したカップルより離婚率が高いそうで、長く検討すれば良いというものでもないの
でしょうね。
日仏カップルの折り合いのつけどころはどう見つけるべきか。
答えの無い思案が続くある日の昼下がりなのでした。



