前回は「無難なワイシャツ」をまとめました。今回は、そのスーツとワイシャツに合わせるネクタイのお話です。ネクタイもまた目が行く部分ですので、欲張らず無難なものを合わせましょう。
ネクタイの色はどれが良いの?
サルトが提案するのは紺の無地のネクタイです。ネクタイというとストライプやチェック、ドットなど柄が入ったものが定番のように売り場に並んでいますが、柄というのはとても扱いが難しいものだと思っています。
かといって、「じゃあ、無地でいいの?」というとそれもまた違っていて、政治家よろしく真っ赤や真っ青、ピンクなどの強い単色では品が出ません。もちろん、真っ黒の無地ネクタイは、葬儀告別式か「モードファッション」をイメージさせるので、無難とは言い難いです。落とし所として紺がベストです。
紺の無地ネクタイはスーツが濃紺でもグレーでも茶系でも色の組み合わせが不自然にならない便利な色のネクタイなので、一本あるだけで今後の洋服選びを楽にしてくれるはずです。もちろん、ドットなど少々の柄が入っているものも問題ありませんが、「これ合うかな?合わないかな?」と迷われるようであれば、騙されたと思って紺の無地ネクタイをお締めください。
ちなみに、映画「007シリーズ」には、ジェームズ・ボンドの紺無地ネクタイの着こなしをたくさん見ることができます。特に「007 SPECTRE」では、このブログで取り上げている「無難なスーツ(濃紺無地+白ワイシャツ+紺の無地ネクタイ)」を見ることができます。サイズ感は”ぴちぴち”なので、真似をすると痛い目を見ますが、アイテムの組み合わせとしてはシンプルなお手本スタイルでした。
どんなネクタイを買えばいい?
ネクタイはシルク製をおすすめしますが、ポリエステルが含まれているものでも違和感はないと思います。ただ、青に近い明るめの紺や光沢感が強すぎると「パーティー感」が出てしまいますので注意しましょう。
どこで買えばよいのかというと、百貨店やスーツ量販店で販売されているもので十分です。そもそもそんなにスーツは着ませんという方は、それこそamazonで「ネクタイ ネイビー 無地」と検索して出てくるネクタイでも十分機能します。この後のポイントで記載していますが、「ネクタイの見栄えは結び方」が最も重要だと思っています。素材や作りや値段よりも綺麗に結べるようになることを意識すべきです。
ちなみに、イタリア製の手縫いのネクタイなどは2万円後半〜4万円と高額なものもあります。価格に見合う素材と丁寧な手作業の作りでとても美しいネクタイではありますが、今回は無難がテーマで「着ないといけない時のため」のスタイル指南ですので、おすすめはしませんでした。スーツにこだわりが出てきた時にはぜひトライしてみてください。
ネクタイの結び方は?
ネクタイで見た目を大きく左右するのは「結び方」です。イタリア製の4万円のネクタイを締めたとしても結び方ができていなければ、その価値はまったく無意味となってしまいます。とにかくきちんと結べるようにすることが重要です。
結び方は調べてみるとたくさんありますが、一般的に機能するのは下記の2つの結び方だと思います。「フォーインワンノット」と「ハーフウィンザーノット」です。名前を覚える必要は全くありませんので、一度結んでみて手馴染みの良い方法を一つ選ばれたら良いでしょう。今はYoutubeに結び方のチュートリアルはたくさん出ていますので、下記の結び方の名前で検索して練習されると良いと思います。
一応触れておくと、ファッションの世界では「小剣ずらし」や「小剣をわざと長く結ぶ」と言ったテクニック?が存在しますが、これは一般的には機能しませんのでおすすめしません。これらはビジネスや式典などでは「こだわりの着こなし」として認識されず、「ちゃんと服を着ていない」と判断されかねませんので、TPOを判断し、お洒落を楽しめる時と場合(お洒落が許される)にお楽しみいただければと思います。
では、靴やベルトはどうでしょう?
次回は「無難な靴とベルト」のお話です。