卒業式・入学式の失敗しないスーツ(第7章 ズボンのお腹周りの話)

今回もサイズのお話で、ズボンのお腹周りがテーマです。
ズボンはウエストことお腹周りのサイズが合っていないと、”腰パン”になったり、息が出来なくなったりします。ベルトで締めるとはいえ、そもそものサイズが適正でないと見た目も履き心地も悪くなってしまいます。

ズボンのお腹周りは緩くない?

 ズボンのお腹周りのサイズは、前回のズボンの長さと大きく関連します。
たとえば、お腹周りのサイズが大きい(緩い)場合、ズボンがずれ落ちてきて”腰パン”となり、裾のたるみがひどくなります。せっかくちょうど良い長さに裾上げ調整してもらっても、ズボンごとずれ落ちて着てしまえば台無しです。ズボンの裾上げをお願いする際、ズボンが緩い場合はお腹周りの調整も同時に相談したほうがよいでしょう

 また、”腰パン”になると、ズボンのベルトの位置が下るので「胴長短足」の見た目を見事に作り出します。ワイシャツの襟元からズボンのベルトまでの距離が長いと間延びしているように見えて、とてもスタイルが悪く見えて残念です。足の短さを主張するスタイルを避けるためにも、お腹周りのサイズはしっかり合わせたいところです。

 ちなみに、「緩いなら、ベルトで締めればいいのでは?」と思われがちですが、緩いズボンを無理やりベルトで締め上げてはくとズボンに不自然なシワができ、見た目もは着心地もよくありません。ランチを食べ終わったくらいのお腹のサイズに合わせて、ズボンのサイズをお直しすることをおすすめします。

ズボンのお腹周りのを小さくするお直しについては、サルトの代表の檀(ダン)がマニアックなまでに細かく話しているYouTubeがありますので、ぜひ参考になさってください

ズボンのお腹周りはキツくない?

 上記とは逆に「キツくて苦しい」、「そもそもズボンが締まらない」という場合は、ズボンのお腹周りのサイズを大きくするお直しで改善できる場合がほとんどです。
 大抵のズボンは既製品でもオーダーメイドでも縫い代が残っていますので、大きくすることが可能です。縫い代が足りない場合でも似た色の生地をハギ足すことで大幅にお腹周りを広げることはできますので、諦めずにご相談ください。

こちらもまた代表の檀(ダン)が話しているYouTubeがありますので、ぜひご覧ください。技術的なところまで話していますので、「こんなこともできるんだ!」ということだけでも知っていただければと思います。

お腹周りのサイズ調整は
とにかく奥深い

 マニアックな技術論で言えば、お腹周りのサイズは「ただ数センチ小さくすれば良い/大きくすれば良い」というわけではなく、お尻周りや太もも周り、「股上」なども考慮する必要があります。
 人間の体は立体的で複雑で個人差が大きいです。たとえば、「お腹周りは緩いけれど、お尻周りはパツパツ」だったり、「お腹はぴったりだけれど、お尻はゆるゆる」ということがあります。

こういった部分まで理解をし、それを改善ができる知識と技術を持ったところにお直しの依頼を出すことが最も重要かもしれません。

卒業式・入学式の失敗しないスーツ(第6章 ズボンの長さと裾の仕様の話)

今回もサイズのお話。ズボンの長さやお腹周りのサイズがテーマです。
ズボンもサイズが合っていないと、いとも簡単にだらしなくなりますので、自分になったサイズを着ましょう。

ズボンのサイズは大丈夫?

 どんなに高級で素敵なスーツでも、サイズが合っていなければ、”だらしない””パパ、かっこ悪い”と言われてしまいます。逆にサイズがしっかりと合っていれば、量販店のセール品でも素敵な見た目と好印象を獲得できます。

 サルトは創業当時から「流行のない正しいサイズ感がある」と提唱してきました。オーダー品に限らず、既製品も自分の「正しいサイズ」を買う(もしくはお直しをする)ことで、より好印象を獲得できるのです。サイズについては細かく語ると書ききれませんので、深い話はご来店時にお話させていただくとして、今回はポイントを絞ってお話します。

ズボンの長さは?

 スボンの裾が足元にだるんと溜まっているのは、だらしなさの象徴です。ただ短すぎるのもまた”つんつるてん”で、目が行きます前から見て、裾にほんの少しだけたるみがある程度(洋服屋さんが言うところの「ハーフクッション」)が良いでしょう。

NG例(長すぎる)
NG例(短すぎる)

 こちらは「REAL MAN REAL STYLE」というウェブサイトの画像です。「ハーフクッション」というのは、日本でいうと左から2番目と3番目の長さのことです。ぜひ、量販店でスーツを買った場合やオーダーされる際は「ハーフクッション」をリクエストしてください。

 ちなみに、一番左の「ノークッション」も足元がすっきり見えて素敵なのですが、短すぎない絶妙な長さでないとすぐにつんつるてんに見えてしまったり、裾の太さなど長さ以外に気にしないといけない部分があったりするので、スーツに拘りたくなってからチャレンジすると良いでしょう。

REAL MEN REAL STYLE

 ここで注意が必要なのは、ズボンの長さは履く位置で大きく変わるということです。お店で裾上げをしてもらう時に、履く位置が実際とは違うと仕上がってから「あれ?長い?(短い?)」ということがおきます。これについてはお腹周りのサイズについてのポイントでお話します。

ズボンの裾の仕様?

 ズボンの裾口は最も一般的な「シングル」という仕様がおすすめです。裾口を折り返したような見た目の「ダブル」という仕上げもありますが、無難にするならば避けたほうがよいでしょう。「ダブル」は決して非常識なわけではなく、実は我々も自分たちのズボンの裾は「ダブル」が好みです。ただ、一般的なサラリーマン社会において「ダブル」は馴染みが薄いため、裾がダブルなだけで目立つ場合があります。そんな現実的な理由で、無難な「シングル」をおすすめしています。

シングル
ダブル

 本来ならば、長さと裾の仕様を語るには、裾の幅や「モーニングカット」などのウンチクがほしいところですが、話が深くなりすぎるので書かないようにします。

 サルトでは裾上げだけでももちろんご案内しておりますので、お気軽にご相談にいらしてください。お手元のスーツをお持ちになって「どこかおかしいんですが、、、」とざっくりとしたご相談でも問題ございません。
 また、スタッフはアパレル一筋の人間もいれば、アパレルではないサラリーマンやベンチャー、起業を経験したスタッフもおりますので、ビジネススタイルに関してもファッションに行きすぎない現実的で無難なご提案をさせていただきます。 

次回は、ズボンのおなか(ウエスト)のサイズについて
まとめていきます。

卒業式・入学式の失敗しないスーツ(第5章 ジャケットの袖の長さの話)

今までアイテムの無難なアイテムのお話をしてきましたが、今回はサイズのお話です。上から下まで無難で揃えても、そもそもサイズが合っていなかったら「無難」すら成立しません。ぴったりのサイズを着て、大切な式に臨みましょう。

スーツのサイズは大丈夫?

 どんなに高級で素敵なスーツでも、サイズが合っていなければ、”だらしない””パパ、かっこ悪い”と言われてしまいます。逆にサイズがしっかりと合っていれば、量販店のセール品でも素敵な見た目と好印象を獲得できます。

 サルトは創業当時から「流行のない正しいサイズ感がある」と提唱してきました。オーダー品に限らず、既製品も自分の「正しいサイズ」を買う(もしくはお直しをする)ことで、より好印象を獲得できるのです。サイズについては細かく語ると書ききれませんので、深い話はご来店時にお話させていただくとして、今回はポイントを絞ってお話します。

【 ジャケットのサイズ 】

 ジャケットのサイズは書き出すとキリがありません。袖の長さ・袖の太さ・肩幅・背中の幅・胸周りの幅・ウエスト・ジャケットの長さなどなどたくさん。なので、見られる可能性がとても高い、袖の長さに絞ってお話をさせていただきます。どうして袖の長さだけに絞るのかと言うと、「袖だけ残念」という場合が多いからです。下の写真をご覧ください。

ジャケットの袖が長い【NG例】
ジャケットの袖が短い【NG例】

 上記の写真はiStockで購入したものなのでコーディネートはいただけませんが、サラリーマンあるあるのスタイルだと思って取り上げました。どこかあるあるなのかと言うと「サイズはだいたい合っているけど、袖の長さが微妙」というところです。この写真も、大体のサイズは合っているのですが、袖の長さが合っていないがために全体的な印象を下げてしまっています。
 手の甲あたりまで袖が長いと、印象としては「だらしなさ」と「頼りなさ」を感じさせますし、逆にワイシャツの袖口が完全に出るほど袖が短い場合には、誰がどう見ても「つんつるてんで、小さいのを着ているなぁ」という印象になります。袖の長さはジャケットのサイズにおいて鬼門と言えます。

 袖の長さはスーツを購入する時に調整してくれるお店もありますし、我々のような洋服お直し屋さんに相談いただければ最適なサイズに調整をさせていただきます。長さが気になる方や、気になっていないけれど自分は大丈夫かな?と思っている方はお気軽にご相談くださいませ。

 袖の長さが100点満点の人たちをご紹介しておきます。サルトのパートナーショップ The ARMOURYのNY店のスタッフさんたちです。ベテランと若手で醸し出す雰囲気は違いますが、袖の長さはどちらもぴったりですね。

The Armoury
The Armoury
今回は、ジャケットサイズの鬼門「袖の長さ」をお話しました。
次回はズボンのサイズのお話です。
ズボンのサイズは長さとおなか(ウエスト)がポイントですので、その辺りをまとめていきます。

卒業式・入学式の失敗しないスーツ(第4章 靴とベルトの話)

スーツ、ワイシャツ、ネクタイとまとめてきましたが、今回は靴とベルトなどのお話です。「無難な靴」とはなんでしょうか。ベルトや付けても良いアクセサリーのことも含めてまとめていきます。

どんな靴とベルトが良いの?

 靴は、黒の革靴で「プレーントゥ」と呼ばれる、最もシンプルな定番のデザインを選びましょう。素材は牛革が良いですが、6万円や10万円を超える革靴である必要は全くありません。最近は合革でも見た目が良いものも増えてきましたし、リーズナブルな牛革靴も存在します。次のポイントで記載しますが、サイズが合っていて綺麗な状態であれば問題ないでしょう。

 ベルトは百貨店や量販店でよく見るようなビジネス用のベルトで十分です。ブランドのベルトの場合はバックルの主張が強いものもありますので、控えましょう。

 靴とベルトの関係ですが、この2つの色は合わせるのがルールとされています。靴が黒ならば、ベルトも黒。靴が茶色ならば、ベルトも茶色です。ただ、学校行事の多くは屋内開催で会場ではスリッパに履き替えるかと思いますので、靴との色合わせはそこまで深刻に考える必要はありません。
 ちなみに、最近は学校がスリッパを用意せず、室内履きを持参するよう指定されることが多くあります。屋内での行事はたくさんありますので、室内履き(と脱いだ靴を入れる袋)はきちんとしたものを用意しておくとよいでしょう。室内履きで検索をすれば、男性用のものもたくさん出てきます。

靴で気をつけるポイントは?

 靴を履く上で最大切なのは、サイズとその靴が綺麗かどうかです。大きめのサイズを履いている方が多いので、買う時にきちんとサイズを測ったもらうか、試着をするのをおすすめします。靴紐をほどかずに靴べらもなしでスッと履けるのは楽ですが、それはサイズが大きい証拠でもあります。靴の傷みはもちろん、不自然な歩き方から来る体の歪みなど、将来的にいろいろな問題が起きてきますので最適なサイズを選ぶようにしましょう。

 また、靴が傷だらけ、砂埃だらけ、かかとが斜めに磨り減っている状態は常に避けたいところです。とはいえ、毎回履いた後にブラシをかけましょう!クリームを塗って保護しましょう!といったことを皆さんにおすすめするのは現実的ではありません。近年、靴磨き専門店や靴修理専門店も増えてきましたので、靴の出番が来る前にこういった得意なところに相談するがよいでしょう。また、サルト銀座店でも靴職人が靴のお手入れや修理、オーダーメイドをご案内していますので、お気軽にご相談くださいませ。

他に必要なアイテムはある?

 ここまでのアイテムでスタイルは完成していますが、もうひと手間するのとすれば、白い小さめのハンカチ(ポケットチーフ)を胸ポケットにいれると良いでしょう。とはいえ、わざわざ買うほどの必須アイテムではありません。もしお持ちであれば程度です。

 お持ちの方は、四角く折りたたんで胸ポケットに入れ、少しだけ胸ポケットから覗くくらいでしたらとても上品です。白以外のハンカチや、無造作にポンといれて胸ポケットからハンカチが暴れだしそうなのはお洒落すぎるので、別の機会に楽しみましょう。

 他になにかするとすれば、時計と結婚指輪のみです。男としては時計を自慢したくなる場面ですが、グッと堪えてシンプルで厚みもそれほどない時計を選びましょう。また、ブレスレットや数珠、パワーストーン、ウォレットチェーン、結婚指輪以外の指輪などは避けた方が無難です。

最低限のアイテムで挑みましょう。

ハンカチの入れ方の見本はこちら。
参照:How James Bond’s Look Evolved for ‘No Time to Die’
無難なスーツスタイルをざっくりとお話しました。
ただ、どんなに良いスーツでもサイズがあっていなければ台無しです。
というわけで、次回はサイズのお話です。

卒業式・入学式の失敗しないスーツ(第3章 ネクタイの話)

 前回は「無難なワイシャツ」をまとめました。今回は、そのスーツとワイシャツに合わせるネクタイのお話です。ネクタイもまた目が行く部分ですので、欲張らず無難なものを合わせましょう。

ネクタイの色はどれが良いの?

 サルトが提案するのは紺の無地のネクタイです。ネクタイというとストライプやチェック、ドットなど柄が入ったものが定番のように売り場に並んでいますが、柄というのはとても扱いが難しいものだと思っています。

 かといって、「じゃあ、無地でいいの?」というとそれもまた違っていて、政治家よろしく真っ赤や真っ青、ピンクなどの強い単色では品が出ません。もちろん、真っ黒の無地ネクタイは、葬儀告別式か「モードファッション」をイメージさせるので、無難とは言い難いです。落とし所として紺がベストです。

 紺の無地ネクタイはスーツが濃紺でもグレーでも茶系でも色の組み合わせが不自然にならない便利な色のネクタイなので、一本あるだけで今後の洋服選びを楽にしてくれるはずです。もちろん、ドットなど少々の柄が入っているものも問題ありませんが、「これ合うかな?合わないかな?」と迷われるようであれば、騙されたと思って紺の無地ネクタイをお締めください。

 ちなみに、映画「007シリーズ」には、ジェームズ・ボンドの紺無地ネクタイの着こなしをたくさん見ることができます。特に「007 SPECTRE」では、このブログで取り上げている「無難なスーツ(濃紺無地+白ワイシャツ+紺の無地ネクタイ)」を見ることができます。サイズ感は”ぴちぴち”なので、真似をすると痛い目を見ますが、アイテムの組み合わせとしてはシンプルなお手本スタイルでした。

どんなネクタイを買えばいい?

 ネクタイはシルク製をおすすめしますが、ポリエステルが含まれているものでも違和感はないと思います。ただ、青に近い明るめの紺や光沢感が強すぎると「パーティー感」が出てしまいますので注意しましょう。

 どこで買えばよいのかというと、百貨店やスーツ量販店で販売されているもので十分です。そもそもそんなにスーツは着ませんという方は、それこそamazonで「ネクタイ ネイビー 無地」と検索して出てくるネクタイでも十分機能します。この後のポイントで記載していますが、「ネクタイの見栄えは結び方」が最も重要だと思っています。素材や作りや値段よりも綺麗に結べるようになることを意識すべきです。

 ちなみに、イタリア製の手縫いのネクタイなどは2万円後半〜4万円と高額なものもあります。価格に見合う素材と丁寧な手作業の作りでとても美しいネクタイではありますが、今回は無難がテーマで「着ないといけない時のため」のスタイル指南ですので、おすすめはしませんでした。スーツにこだわりが出てきた時にはぜひトライしてみてください。

ネクタイの結び方は?

 ネクタイで見た目を大きく左右するのは「結び方」です。イタリア製の4万円のネクタイを締めたとしても結び方ができていなければ、その価値はまったく無意味となってしまいます。とにかくきちんと結べるようにすることが重要です。

 結び方は調べてみるとたくさんありますが、一般的に機能するのは下記の2つの結び方だと思います。「フォーインワンノット」と「ハーフウィンザーノット」です。名前を覚える必要は全くありませんので、一度結んでみて手馴染みの良い方法を一つ選ばれたら良いでしょう。今はYoutubeに結び方のチュートリアルはたくさん出ていますので、下記の結び方の名前で検索して練習されると良いと思います。 


 一応触れておくと、ファッションの世界では「小剣ずらし」や「小剣をわざと長く結ぶ」と言ったテクニック?が存在しますが、これは一般的には機能しませんのでおすすめしません。これらはビジネスや式典などでは「こだわりの着こなし」として認識されず、「ちゃんと服を着ていない」と判断されかねませんので、TPOを判断し、お洒落を楽しめる時と場合(お洒落が許される)にお楽しみいただければと思います。

定番の結び方 ①
フォーインワンハンドノット
定番の結び方 ②
ハーフウィンザーノット
サルトのパートナーMarkさんの結び方
ネクタイもスーツ同様に紺の無地が良いということがわかりました。

では、靴やベルトはどうでしょう?
次回は「無難な靴とベルト」のお話です。

卒業式・入学式の失敗しないスーツ(第2章 ワイシャツの話)

 前回は「どんなスーツが無難なのか」をまとめました。今回は、そのスーツに合わせるワイシャツのお話です。これらはおそらくスーツの次に目が行く=目立つ部分です。スーツが無難でもワイシャツが奇をてらったものだと、せっかくの無難が台無しです。ワイシャツもしっかり無難なものを合わせましょう。

ワイシャツの色はどれが良いの?

 ワイシャツは白の無地が確実です。黄ばみやシワがない清潔感のあるものを準備しておきましょう。
「白、またはサックスブルー(水色)、薄いピンク、ストライプ柄もOK」と指南する雑誌やお洋服屋さんもありますが、水色やピンク、ストライプはネクタイの色との相性など考えることが余計に増えるだけですので、ここは絶対的に無難な白の無地を選びましょう。

 ちなみに、白の無地というのは、生地は真っ白で柄がなく、糸の色もボタンの色も全て白いワイシャツのことを言っています。白は白でも”シャドーストライプ/シャドーチェック” こと「よく見ると柄があるもの」(画像1)や、糸やボタンに色があるもの(画像2)は、避けてください。
 こういった類のワイシャツは、スーツ量販店が得意とする商品でお店に行けば豊富なバリエーションに驚かされます。白の無地が地味すぎるので、つい手に取ってしまいがちですが、「無難」や「失敗しない」、「普通」を目指すのであれば、おすすめはしません。

おすすめしない白ワイシャツ

よく見えると柄がある(画像1)

おすすめしない白ワイシャツ

糸やボタンに色がある(画像2)

どれを選べばいい? 綿100%?ポリエステル?

 形状記憶や防シワ機能のあるポリエステル混のもので十分です。もちろん、綿100%のものが正統派で、見た目や着心地共に揺るぎない一番なのですが、その反面、お洗濯やアイロンといったお手入れがとても大変です。毎回クリーニングに出すなら良いのですが、お家でお洗濯する予定であれば、お手入れが楽な素材を選びましょう。最近は綿100%でも形状記憶や防シワといった加工がされているものもありますので、そういった綿100%であれば選んでも問題ありません。

 ちなみに、綿100%のワイシャツをお選びの場合、毎回クリーニングに出されることをおすすめします。少なくとも、洗濯機で乾燥まで回さないでください。綿100%のワイシャツを乾燥まで回した場合、もはや自分の手ではどうしようもないほどにシワシワになります。せっかく乾燥したのにもう一度水につけてシワを伸ばして・・・といった本末転倒な手順を踏むことになります。どうしてもお家でお洗濯される場合は脱水の段階で取り出して、浴室ないし外に干した後、霧吹きを使ってアイロンがけをしましょう。

襟の形はどれが良いの?

 襟の形は「レギュラーカラー」か「セミワイドカラー」という表示のものが無難です。ワイシャツの襟の形は何十種類と存在しますが、いわゆる普通の形というか、多くの人が思い浮かべるワイシャツというのはこの2つです。

 オシャレな人に聞くと「タブカラー」や「バンドカラー(私はマオカラーと呼びますが)」、「ワンピースカラー」など、よくわからない用語のものをおすすめされるかもしれません。どれもかっこよいので、いずれは試していただきたいのですが、用語に馴染みがないように一般的には無難な襟の形ではないので惑わされず、「レギュラー」か「セミワイド」を手に取りましょう。

 ちなみに、もうひとつの定番として「ボタンダウン」がありますが、「ビジネスで着るのはアウト」という風潮がマナー業界にあります。馬に乗るポロ競技で着ていた服から誕生したというストーリーがあるため、「スポーツのときに着る服でカジュアル寄りだから、ビジネスやフォーマルな時は着てはいけない」という理論です。これには、「今そういう風に気にする人がどれだけいるの?」という疑問は大いにありますが、指摘されて面倒なことになるのは避けたいものです。ビジネスやフォーマルな場面では、ボタンダウンはやめておきましょう。ただ、クールビズの期間はネクタイを締めないということもあり、ボタンダウンは良しとされています。

無難な襟 ①
レギュラーカラー
無難な襟 ②
セミワイドカラー

 ちなみに、袖口の形もいろいろとありますが、普通の形を選びましょう。もっと洒落た袖口もたくさんありますが、それはスーツを着ることにハマってきてからでも遅くはありません。

レギュラーカフス
レギュラーカフス

ワイシャツのサイズは?

 ワイシャツのサイズは、とても奥深いです。適度な余裕があるのが良いとされていますが、その余裕のさじ加減は十人十色で、サルトにはサルトなりの正解があります。細かくお伝えするとそれだけ何十回も使うことになりますので、それはぜひご来店時のフィッティングでご体感いただくとして、ここでは2つのポイントをお伝えします。

 まず、首周りです。「首周りがキツくて第一ボタンを締められない」、「緩すぎて、第一ボタンを締めても首との間に隙間がある」。これらはどちらもサイズが合っていないということになります。どちらも明らかにサイズの選択を間違えていますが、見た目の与える印象で言えば、後者の方が見窄らしく見えてしまいます。首元が緩いとどうしても「激ヤセ」感というか、とてもゲッソリしてしまったような印象になります。華奢な人こそ首周りのサイズには十分注意しましょう。

 次に袖丈です。ジャケットの袖口から出たワイシャツの袖が手の甲どころか指先まで隠すほどに長いというのはいただけません。逆に短いのも見た目は良くないのですが、ジャケットを着た状況では袖が長いほうが見窄らしく見えてしまいます。これに関してはジャケットの袖丈との関連しますので、後々「最適なサイズ」をまとめる際に細かくお話します。

ワイシャツは、黄ばみもシワもない白い無地が無難ということはわかりました。
それではそこに締めるネクタイはどれがいいのでしょう?
次回は「無難なネクタイ」のお話です。

卒業式・入学式の失敗しないスーツ(第1章 スーツの話)

 「無難で・失敗しない・恥をかかない・定番のスーツの着方」の具体的なご紹介の第一弾は、入学式・卒業式です。
言わずもがな、お子様の晴れ舞台で、親であれば何度か経験することでしょう。もちろん、これらの行事はお子様が主役ですので、親は気合いを入れすぎないことが大切です。とはいえ、気合は入れないまでも、子供に恥を欠かせない程度の装いは必要です。

 今回は、「無難で・失敗しない・恥をかかない・定番のスーツの着方」をまとめていきます。

どんなスーツが良いですか?

 スーツの色は、濃紺(ネイビー)かグレー(チャコールグレー/ダークグレー)が良いと思います。ただ、スーツが制服のような意味合いもある日本ですので、世界共通のビジネス定番色のグレーですら派手というか目立ってしまう可能性があります。ここは濃紺が絶対的に無難です。

 あと、入学式も卒業式も一応「式典」なのでフォーマルという意味で黒いスーツも思い浮かびますが、ネクタイなどの組み合わせによっては「結婚式帰り」な見た目になるので、冠婚葬祭以外で着るには黒は難易度が高い色です。繰り返しになりますが、サルトとしては、いろいろな場面で活用できる万能な色「濃紺」をおすすめしています。

スーツじゃないといけないですか?

 入学レクリエーションや父母会など式典ではない場合には、カジュアルなスタイルで参加する人も多かったですね。こういった場合、色や柄の自由度が上がり、着こなしを楽しめるようになります。ただ、極端に派手なものや、遠くから見ても「○○だな」と分かってしまうほど主張の強いブランド品は避けたほうが良いでしょう。

なにより、どういった着こなしであれ、サイズがしっかりと合っているのかに注意しましょう。サイズが合ってないと、素敵なものも台無しです。このサイズについては今後の更新の中でお話しますね。

失敗しない王道
「濃紺無地」
王道。でも、日本だと目立つ
「グレー」
厳粛な”式典”ではないならOK
「ノーネクタイ(カジュアル)」
濃紺スーツが絶対的な無難なのはわかりました。
では、ワイシャツとネクタイの無難はなんでしょう?
次回は、ワイシャツとネクタイの組み合わせのお話です。

失敗しないスーツの話(第0章 はじめに)

はじめに

スーツの話と言うと「トレンド」や「おしゃれな着こなし」といった切り口が多いですが、洋服が大好きな人を除けば、多くの方にとってスーツは着ないといけないものであり、進んで着たいものではありません。とはいえ、着ないといけない瞬間が必ずあるのが大人です。

今回から数回に渡って、着ないといけない瞬間の手助けとなるような情報をお送りいたします。テーマは「無難で・失敗しない・恥をかかない・定番のスーツの着方」。様々な場面を想定し、そこで失敗しないスーツの着方をまとめていきます。

最初は、入学式と卒業式のスーツのお話からはじめます。

【メディア掲載】サルト名古屋名鉄店が FNNプライムオンラインに掲載されました

【メディア掲載】サルト名古屋名鉄店が東海テレビに登場いたします。

SARTOの真髄であるフィッター による提案力と60年の歴史の持つ技術力この2つを中心にコロナの中断捨離などで今持たれている洋服を見直され、そしてその洋服をリサイズして、リデザインして着たいという要望がコロナに入って増えていっていることなど弊社のサービスのみならずお洋服に対する考えの変化などを洋服のお直しを通して取材いただきました。

まだ出来上がりの内容は見ていないのですが、より多くの方々に見て頂き、まだ着れる服がある、また再び着れる服がある、諦めていたお直しを出来るお直し屋が名古屋にもある!!

そんなきっかけになって頂ければと思っています。
弊社のお直し事業の半世紀の培ってきた技術力とSARTO20年のサービス力を余すことなく撮影して頂いたと考えています、是非ご覧いただければ幸いです。

サルト名古屋

※サルト名古屋のホームページが開きます