卒業式・入学式の失敗しないスーツ(第3章 ネクタイの話)

 前回は「無難なワイシャツ」をまとめました。今回は、そのスーツとワイシャツに合わせるネクタイのお話です。ネクタイもまた目が行く部分ですので、欲張らず無難なものを合わせましょう。

ネクタイの色はどれが良いの?

 サルトが提案するのは紺の無地のネクタイです。ネクタイというとストライプやチェック、ドットなど柄が入ったものが定番のように売り場に並んでいますが、柄というのはとても扱いが難しいものだと思っています。

 かといって、「じゃあ、無地でいいの?」というとそれもまた違っていて、政治家よろしく真っ赤や真っ青、ピンクなどの強い単色では品が出ません。もちろん、真っ黒の無地ネクタイは、葬儀告別式か「モードファッション」をイメージさせるので、無難とは言い難いです。落とし所として紺がベストです。

 紺の無地ネクタイはスーツが濃紺でもグレーでも茶系でも色の組み合わせが不自然にならない便利な色のネクタイなので、一本あるだけで今後の洋服選びを楽にしてくれるはずです。もちろん、ドットなど少々の柄が入っているものも問題ありませんが、「これ合うかな?合わないかな?」と迷われるようであれば、騙されたと思って紺の無地ネクタイをお締めください。

 ちなみに、映画「007シリーズ」には、ジェームズ・ボンドの紺無地ネクタイの着こなしをたくさん見ることができます。特に「007 SPECTRE」では、このブログで取り上げている「無難なスーツ(濃紺無地+白ワイシャツ+紺の無地ネクタイ)」を見ることができます。サイズ感は”ぴちぴち”なので、真似をすると痛い目を見ますが、アイテムの組み合わせとしてはシンプルなお手本スタイルでした。

どんなネクタイを買えばいい?

 ネクタイはシルク製をおすすめしますが、ポリエステルが含まれているものでも違和感はないと思います。ただ、青に近い明るめの紺や光沢感が強すぎると「パーティー感」が出てしまいますので注意しましょう。

 どこで買えばよいのかというと、百貨店やスーツ量販店で販売されているもので十分です。そもそもそんなにスーツは着ませんという方は、それこそamazonで「ネクタイ ネイビー 無地」と検索して出てくるネクタイでも十分機能します。この後のポイントで記載していますが、「ネクタイの見栄えは結び方」が最も重要だと思っています。素材や作りや値段よりも綺麗に結べるようになることを意識すべきです。

 ちなみに、イタリア製の手縫いのネクタイなどは2万円後半〜4万円と高額なものもあります。価格に見合う素材と丁寧な手作業の作りでとても美しいネクタイではありますが、今回は無難がテーマで「着ないといけない時のため」のスタイル指南ですので、おすすめはしませんでした。スーツにこだわりが出てきた時にはぜひトライしてみてください。

ネクタイの結び方は?

 ネクタイで見た目を大きく左右するのは「結び方」です。イタリア製の4万円のネクタイを締めたとしても結び方ができていなければ、その価値はまったく無意味となってしまいます。とにかくきちんと結べるようにすることが重要です。

 結び方は調べてみるとたくさんありますが、一般的に機能するのは下記の2つの結び方だと思います。「フォーインワンノット」と「ハーフウィンザーノット」です。名前を覚える必要は全くありませんので、一度結んでみて手馴染みの良い方法を一つ選ばれたら良いでしょう。今はYoutubeに結び方のチュートリアルはたくさん出ていますので、下記の結び方の名前で検索して練習されると良いと思います。 


 一応触れておくと、ファッションの世界では「小剣ずらし」や「小剣をわざと長く結ぶ」と言ったテクニック?が存在しますが、これは一般的には機能しませんのでおすすめしません。これらはビジネスや式典などでは「こだわりの着こなし」として認識されず、「ちゃんと服を着ていない」と判断されかねませんので、TPOを判断し、お洒落を楽しめる時と場合(お洒落が許される)にお楽しみいただければと思います。

定番の結び方 ①
フォーインワンハンドノット
定番の結び方 ②
ハーフウィンザーノット
サルトのパートナーMarkさんの結び方
ネクタイもスーツ同様に紺の無地が良いということがわかりました。

では、靴やベルトはどうでしょう?
次回は「無難な靴とベルト」のお話です。

【オーダー会】サルトのオーダーメイドフェア開催のお知らせ

皆様、いつもサルトをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
今年も春と夏に向けたオーダーフェアの季節がやって参りました。

新作生地や新作モデルのご紹介の他、 お仕立ていただいたお客様への特別特典もご用意しております。
また、今回のオーダーフェア終了後の2023年3月1日より、オーダーメイド商品の価格改定を行い、概ね10〜15%の値上げをさせていただく予定です。
サルトお洋服をお得にお仕立ていただける特別なフェアとなりますので、ぜひこの機会に素敵な1着をお仕立てしてみてはいかがでしょうか。

TEL:03-3567-0016


【オーダーフェア 開催期間】

開催期間:
2023年2月10日(金)~2月28日(火)

オーダーいただける商品:
スーツ、ジャケット、パンツ、シャツ、レザージャケット、ブルゾン、グルカパンツ、レディースワンピース等

ご予約、お問合わせは、下記お問い合わせフォームまたはお電話にてお願い致します。

卒業式・入学式の失敗しないスーツ(第2章 ワイシャツの話)

 前回は「どんなスーツが無難なのか」をまとめました。今回は、そのスーツに合わせるワイシャツのお話です。これらはおそらくスーツの次に目が行く=目立つ部分です。スーツが無難でもワイシャツが奇をてらったものだと、せっかくの無難が台無しです。ワイシャツもしっかり無難なものを合わせましょう。

ワイシャツの色はどれが良いの?

 ワイシャツは白の無地が確実です。黄ばみやシワがない清潔感のあるものを準備しておきましょう。
「白、またはサックスブルー(水色)、薄いピンク、ストライプ柄もOK」と指南する雑誌やお洋服屋さんもありますが、水色やピンク、ストライプはネクタイの色との相性など考えることが余計に増えるだけですので、ここは絶対的に無難な白の無地を選びましょう。

 ちなみに、白の無地というのは、生地は真っ白で柄がなく、糸の色もボタンの色も全て白いワイシャツのことを言っています。白は白でも”シャドーストライプ/シャドーチェック” こと「よく見ると柄があるもの」(画像1)や、糸やボタンに色があるもの(画像2)は、避けてください。
 こういった類のワイシャツは、スーツ量販店が得意とする商品でお店に行けば豊富なバリエーションに驚かされます。白の無地が地味すぎるので、つい手に取ってしまいがちですが、「無難」や「失敗しない」、「普通」を目指すのであれば、おすすめはしません。

おすすめしない白ワイシャツ

よく見えると柄がある(画像1)

おすすめしない白ワイシャツ

糸やボタンに色がある(画像2)

どれを選べばいい? 綿100%?ポリエステル?

 形状記憶や防シワ機能のあるポリエステル混のもので十分です。もちろん、綿100%のものが正統派で、見た目や着心地共に揺るぎない一番なのですが、その反面、お洗濯やアイロンといったお手入れがとても大変です。毎回クリーニングに出すなら良いのですが、お家でお洗濯する予定であれば、お手入れが楽な素材を選びましょう。最近は綿100%でも形状記憶や防シワといった加工がされているものもありますので、そういった綿100%であれば選んでも問題ありません。

 ちなみに、綿100%のワイシャツをお選びの場合、毎回クリーニングに出されることをおすすめします。少なくとも、洗濯機で乾燥まで回さないでください。綿100%のワイシャツを乾燥まで回した場合、もはや自分の手ではどうしようもないほどにシワシワになります。せっかく乾燥したのにもう一度水につけてシワを伸ばして・・・といった本末転倒な手順を踏むことになります。どうしてもお家でお洗濯される場合は脱水の段階で取り出して、浴室ないし外に干した後、霧吹きを使ってアイロンがけをしましょう。

襟の形はどれが良いの?

 襟の形は「レギュラーカラー」か「セミワイドカラー」という表示のものが無難です。ワイシャツの襟の形は何十種類と存在しますが、いわゆる普通の形というか、多くの人が思い浮かべるワイシャツというのはこの2つです。

 オシャレな人に聞くと「タブカラー」や「バンドカラー(私はマオカラーと呼びますが)」、「ワンピースカラー」など、よくわからない用語のものをおすすめされるかもしれません。どれもかっこよいので、いずれは試していただきたいのですが、用語に馴染みがないように一般的には無難な襟の形ではないので惑わされず、「レギュラー」か「セミワイド」を手に取りましょう。

 ちなみに、もうひとつの定番として「ボタンダウン」がありますが、「ビジネスで着るのはアウト」という風潮がマナー業界にあります。馬に乗るポロ競技で着ていた服から誕生したというストーリーがあるため、「スポーツのときに着る服でカジュアル寄りだから、ビジネスやフォーマルな時は着てはいけない」という理論です。これには、「今そういう風に気にする人がどれだけいるの?」という疑問は大いにありますが、指摘されて面倒なことになるのは避けたいものです。ビジネスやフォーマルな場面では、ボタンダウンはやめておきましょう。ただ、クールビズの期間はネクタイを締めないということもあり、ボタンダウンは良しとされています。

無難な襟 ①
レギュラーカラー
無難な襟 ②
セミワイドカラー

 ちなみに、袖口の形もいろいろとありますが、普通の形を選びましょう。もっと洒落た袖口もたくさんありますが、それはスーツを着ることにハマってきてからでも遅くはありません。

レギュラーカフス
レギュラーカフス

ワイシャツのサイズは?

 ワイシャツのサイズは、とても奥深いです。適度な余裕があるのが良いとされていますが、その余裕のさじ加減は十人十色で、サルトにはサルトなりの正解があります。細かくお伝えするとそれだけ何十回も使うことになりますので、それはぜひご来店時のフィッティングでご体感いただくとして、ここでは2つのポイントをお伝えします。

 まず、首周りです。「首周りがキツくて第一ボタンを締められない」、「緩すぎて、第一ボタンを締めても首との間に隙間がある」。これらはどちらもサイズが合っていないということになります。どちらも明らかにサイズの選択を間違えていますが、見た目の与える印象で言えば、後者の方が見窄らしく見えてしまいます。首元が緩いとどうしても「激ヤセ」感というか、とてもゲッソリしてしまったような印象になります。華奢な人こそ首周りのサイズには十分注意しましょう。

 次に袖丈です。ジャケットの袖口から出たワイシャツの袖が手の甲どころか指先まで隠すほどに長いというのはいただけません。逆に短いのも見た目は良くないのですが、ジャケットを着た状況では袖が長いほうが見窄らしく見えてしまいます。これに関してはジャケットの袖丈との関連しますので、後々「最適なサイズ」をまとめる際に細かくお話します。

ワイシャツは、黄ばみもシワもない白い無地が無難ということはわかりました。
それではそこに締めるネクタイはどれがいいのでしょう?
次回は「無難なネクタイ」のお話です。

卒業式・入学式の失敗しないスーツ(第1章 スーツの話)

 「無難で・失敗しない・恥をかかない・定番のスーツの着方」の具体的なご紹介の第一弾は、入学式・卒業式です。
言わずもがな、お子様の晴れ舞台で、親であれば何度か経験することでしょう。もちろん、これらの行事はお子様が主役ですので、親は気合いを入れすぎないことが大切です。とはいえ、気合は入れないまでも、子供に恥を欠かせない程度の装いは必要です。

 今回は、「無難で・失敗しない・恥をかかない・定番のスーツの着方」をまとめていきます。

どんなスーツが良いですか?

 スーツの色は、濃紺(ネイビー)かグレー(チャコールグレー/ダークグレー)が良いと思います。ただ、スーツが制服のような意味合いもある日本ですので、世界共通のビジネス定番色のグレーですら派手というか目立ってしまう可能性があります。ここは濃紺が絶対的に無難です。

 あと、入学式も卒業式も一応「式典」なのでフォーマルという意味で黒いスーツも思い浮かびますが、ネクタイなどの組み合わせによっては「結婚式帰り」な見た目になるので、冠婚葬祭以外で着るには黒は難易度が高い色です。繰り返しになりますが、サルトとしては、いろいろな場面で活用できる万能な色「濃紺」をおすすめしています。

スーツじゃないといけないですか?

 入学レクリエーションや父母会など式典ではない場合には、カジュアルなスタイルで参加する人も多かったですね。こういった場合、色や柄の自由度が上がり、着こなしを楽しめるようになります。ただ、極端に派手なものや、遠くから見ても「○○だな」と分かってしまうほど主張の強いブランド品は避けたほうが良いでしょう。

なにより、どういった着こなしであれ、サイズがしっかりと合っているのかに注意しましょう。サイズが合ってないと、素敵なものも台無しです。このサイズについては今後の更新の中でお話しますね。

失敗しない王道
「濃紺無地」
王道。でも、日本だと目立つ
「グレー」
厳粛な”式典”ではないならOK
「ノーネクタイ(カジュアル)」
濃紺スーツが絶対的な無難なのはわかりました。
では、ワイシャツとネクタイの無難はなんでしょう?
次回は、ワイシャツとネクタイの組み合わせのお話です。

失敗しないスーツの話(第0章 はじめに)

はじめに

スーツの話と言うと「トレンド」や「おしゃれな着こなし」といった切り口が多いですが、洋服が大好きな人を除けば、多くの方にとってスーツは着ないといけないものであり、進んで着たいものではありません。とはいえ、着ないといけない瞬間が必ずあるのが大人です。

今回から数回に渡って、着ないといけない瞬間の手助けとなるような情報をお送りいたします。テーマは「無難で・失敗しない・恥をかかない・定番のスーツの着方」。様々な場面を想定し、そこで失敗しないスーツの着方をまとめていきます。

最初は、入学式と卒業式のスーツのお話からはじめます。

【新年のご挨拶お知らせ】

新年あけましておめでとうございます。

旧年中は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。

本年も、高品質のご提案型洋服お直しの提供ならびに、国内・海外での様々なプロジェクトをお届けさせていただきます。
引き続き、変わらぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。


サルト株式会社/サルト銀座店

Happy New Year, 2023
We wish you all every success from beginning of the year, from all of us at SARTO GINZA.

【年末年始休業に関して】

平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。

サルト銀座店は、12月28日(水)〜1月4日(水)までの期間を年末年始休業とさせていただきます。

2023年の営業開始は1月5日(木)11時からとなります。

本年もサルトをご利用いただき、誠にありがとうございました。
来る新年も何卒よろしくお願い申し上げます。

サルト銀座店

※新宿伊勢丹メンズ館店、日本橋三越本店は百貨店の営業スケジュール通りの営業となります。

【12月3日(土)の臨時休業に関して】

平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。

サルト銀座店は、イベント開催につき、12月3日(土)は臨時休業とさせていただきます。

翌日、12月4日(日)は、11時より通常営業をいたします。

ご迷惑お掛け致しますが、何卒、よろしくお願い申し上げます。

サルト銀座店

【イベント】サルト 20周年記念パーティー開催のお知らせ

サルトは2020年に創業20周年を迎えました。
コロナ禍の影響で皆様に感謝をお伝えする集いが開催できずにおりましたが、昨今の状況から判断し今回約4年ぶりにパーティーを開催させていただくことにいたしました。
当日はお飲み物やお食事の他、オーダーメイドのご案内など様々な催しを予定しております。
お誘い合わせの上、ぜひご参加いただければと存じます

ご参加いただける方は下記のフォームからお申し込みをよろしくお願いいたします。

※お電話でもお受けしております(TEL 03-3567-0016/サルト銀座本店)

    ご希望のプログラムをお選びください。*

    [radio* your-info use_label_element "1.午前10時開始の回" "2.午後13時開始の回"]

    参加代表者様のお名前*

    メールアドレス*

    電話番号

    ご応募多数の場合は抽選でのご案内となります。ご了承ください。*


    「送信ボタン」を押すと、すぐに送信されます。

    【イベント】金沢と富山で洋服お直しとリメイクのイベントを開催

    10月1日(土)・2日(日)の2日間、金沢と富山で展開をするオーダーサロン「the measuring order salon」にて、洋服お直しとリメイクのイベントを開催させていただきます。
    1日は金沢、2日は富山での開催となり、当日はサルト代表の檀とレディースフィッターの松尾がリメイクのご提案やリフォームに伴うフィッティングをご案内させていただきます。

    詳しくはthe measuring order salonのHPをご覧いただくか、
    https://www.instagram.com/the.smile_ordersuit/までお問い合わせください。

    金沢|金沢市泉一丁目5-4 ザ・ビルヂング金沢泉1F

    富山|富山市布瀬町一丁目8-1 高石ビル 3F