Vol.3 香港シャツメーカー “Ascot Chang/アスコット・チャン”

引き続き、アスコット・チャンの工房をご案内いたします。
こちらの写真は、生地用の洗濯乾燥機。シャツを仕立てる前の生地に、一度洗いをかけることで、仕立てた後の洗濯での縮みを防ぐ意味合いがあります。
また、多くのテーラーがそうしているように、仕立てる段階で、生地の縮みを想定した寸法で裁断し、縫製をしています。こうした工程により、洗っても着心地の変わらないシャツを提供しています。

こちらは、カッティングと縫製チームです。縫製チームは、女性を主体としているように見えました(たまたまかもしれません)。縫製は、襟、袖、身頃、袖と身頃の縫い合わせなど工程ごとに別れており、
また、カッティングチームは、パターン/型紙製作チームが、デジタル(CAD)で製作した型紙を元に、生地の裁断を手際よく行っていきます。アスコットチャンのシャツの特徴して、「正確な柄合わせ/パターンマッチング」がありますが、その秘密は、熟練で丁寧なカッティングチームの技術によるものです。下の写真のように、白無地生地に対しても、一つひとつに丁寧に向き合い、職人同士で相談しながら、ハサミを入れていきます。

次回は、アスコット・チャンが誇る、膨大な生地アーカイブの保管庫をご紹介いたします。

最後に、私個人がこのブランドを大好きな理由をお話させていただきます。それは、高い品質だから好きという単純な理由もありますが、一番の理由は「職人を大切にしている」からです。アスコット・チャンは、給与や待遇という現実的で具体的な部分も含めて、職人のことを考え、非常に大切にしているのです。
なぜ、わざわざ「給与や待遇」という言葉を出したかと言えば、「職人技を守りたい」という謳い文句の企業の中には、それが言葉だけである場合もあるためです。そして、アスコット・チャンはそうではない、ということを明確に言いたかったためです。


ちなみに、アジアの中華圏、特に華僑の中には、古くから生きる術として、「
三把刀(3つの刃物)」という言葉があり、これは「料理人」「理容師」「仕立て職人」という刃物を使う職業3つを意味する言葉で、どこに行ってもこの仕事ができれば生きていけるという、なんとも中華圏らしい教えです。
実際に、国共内戦や様々な理由で、中国大陸からアメリカやヨーロッパ、オセアニアなど海外へ移民をした人たちは、上記の3つの職業の内のどれかを現地で開業し、そこから生活をスタートさせた人も多く存在します。
香港で仕立て職人という地位がしっかりと存在するのは、こうした教えを通して、職人に対する理解や尊敬というものが古くから存在するからとも言えるのです。

Text and Photos:Moto Kwok, Sally Kwok

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Moto Kwok-fan

Moto was born and raised in Japan and has lived and worked in Shanghai and Hong Kong.
After he graduated from university, Moto started his career as a real estate and investment agent and digital-marketing. He worked for this industries for about six years and afterwards he started own business as marketing and some fashion brand agent.
In 2018, he joined SARTO GINZA as director and now he in charge of the marketing, promotion and sales department.

Menswear enthusiast and movie props, LEGO block, old Kenner/Hasbro Action figures “Huge Collector”

【海外イベント】ソウル B&Tailor訪問イベント開催のお知らせ

この度、サルト銀座店は8月23日(土)と8月24日(日)に、韓国・ソウルにて、
「ソウルのグルメ&B&Tailorアトリエ訪問イベント」を開催いたします。

実は、顧客様限定のシークレットなイベントとして、すでに5回ほど開催をしているこちらのイベントですが、
一般のお客様からのお問い合わせを多く頂戴しておりますため、今回初めて、広くお知らせをさせていただきました。

イベントでございますが、弊社がパートナーを務めているテーラー「B&Tailor」の店舗やアトリエをご案内・ご紹介し、

すでに発注頂いている方には仮縫いを、これからの方は新規のご発注を現地のアトリエにて行っていただける内容となっております。

自分のスーツがどうやって作られているのか、どういった人が縫っているのかなどを目の前でご覧いただけることはもちろん、
年3回の来日受注会ではご案内していない貴重な生地のコレクションやサンプルスーツ、
彼らの既製品ブランドの商品など、現地のアトリエでしかご覧いただけないものを全てご案内をさせていただきます。
もちろん、ご移動やお食事もアテンドさせていただきますので、ご安心くださいませ。

ぜひ、この機会に世界で話題のB&Tailorを現地で体感してみてください。


■イベント詳細
日時:8月23日(金)~24日(土)
金額:現地ツアー代金 税込 32,400円(移動・食事込)
  ※航空券・宿泊代は別途手配ください。航空券、宿泊先の手配をご希望の方はご相談ください。
応募方法:下記応募URLまたはkwok@sarto.jpまで
応募URL:https://forms.gle/ow15pMuCCczjGX3H6
※応募多数の場合は抽選となり、ご当選者様のみにご連絡をいたします。

【メディア掲載】President Styleに弊社代表の檀が掲載されました。

7月16日(火)、「President Style」に、弊社代表の檀の取材記事が掲載されました。

お陰様で、現在、たくさんのお問い合わせとご予約を頂戴しております。
弊社にご相談にお越しいただけます場合は、事前のご予約をいただいたほうが、スムースにご案内が可能でございます。
下記のお電話またはお問い合わせフォームよりご予約できますので、ご確認くださいませ。

香港・アーモリー/The Armoury サンプルセール

 7月17日から21日まで香港にて開催された、アーモリーのクリアランスセール「”Once in a Blue Moon” SALE」が無事に終了し、東京に戻って参りました。
 今回のセールは、主催のアーモリー/The Armoury、ドロップ93/Drop93の他、香港のシャツメーカー アスコット・チャン/Ascot Chang、北京のセレクトショップ ブリオ/Brio、そして、日本より我々 サルト/SARTOが出展をいたしました。
 ただ、我々のブースが思いのほか広く、自前の商材だけでは少しさみしい、ということになり、急遽友人であるイタリア・フィレンツェのネクタイ・チーフブランド「シブミ フィレンツェ/SHIBUMI FIRENZE」、そして、台湾・台北のレセクトショップ「オークルーム/OAK ROOM」にも声をかけ、商材を提供いただきました。さらに、台湾のオークルームからは、商材のみならず、スタッフのローレンス、スティーブ、ジミーも訪港し、セールを盛り上げてくれました。

下記は、セールの会場の様子です。40%から最大で70%まで割引された商品がずらりと並んだ様子は圧巻ででした。
今後、規模は全く違いますが、サルト銀座店もこうしたセールを東京で開催できれば、、と鋭意企画中でございます。
東京で開催する場合も、海外の友人たちの商品も合わせてご提案できればと思っております。

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Moto Kwok-fan

Moto was born and raised in Japan and has lived and worked in Shanghai and Hong Kong.
After he graduated from university, Moto started his career as a real estate and investment agent and digital-marketing. He worked for this industries for about six years and afterwards he started own business as marketing and some fashion brand agent.
In 2018, he joined SARTO GINZA as director and now he in charge of the marketing, promotion and sales department.

Menswear enthusiast and movie props, LEGO block, old Kenner/Hasbro Action figures “Huge Collector”

【実演イベント】洋服コーティング実演イベントのお知らせ

皆様、いつもサルトをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

開始以来、大好評をいただいております「洋服コーティングサービス」
より多くの皆様にご体感いただくために、この度、7月27日(土)と28日(日)の二日間、
コーティング体感・実演イベントを開催させていただきます。

「洋服コーティングサービス」のご紹介はこちらから!

TEL:03-3567-0016

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【コーティングサービス実演イベント】

開催日時:
2019年7月27日(土)~7月28日(日)
12:00~17:00

お問合わせは、下記お問い合わせフォームまたはお電話にてお願い致します。

TEL:03-3567-0016

ネクタイの長さ調整のオススメ

多くのお客様から、こんなお声を頂戴することが多くございます。
「女性ものも直せるんですか?」、「デニムも持ってきていいんですか?」。
もちろん、大丈夫でございます。

スーツのお直しが最も多い我々でございますが、決して、スーツ専門、男性専門ではございません。
レディースのジャケットやワンピース、ドレスはもちろん、デニム、レザージャケット、ダウン、作業着、スポーツウェア、学生服、柔道着(!)まで、どんなものでもお受けしております。

今回も、そんな「こんなこともやっていますよ」というお直しを紹介させていただきます。

お直し前 -アイテム-

今回はネクタイになります。
ネクタイは、クールビズの一般化でどんどんと馴染みの薄いものになってはいますが、スーツスタイルを引き締めるにはなくてはならないアイテムです。
ネクタイは、顔のすぐ下で、コーディネイトの中心に来るアイテムなので、色や柄には気を使っている方は多いと思います。ただ、多くの方が忘れているのが「長さ」の問題です。

下記の写真を御覧ください。
一般的な長さである146cmのネクタイを少し小柄な弊社スタッフが締めた様子です。色柄は洒落ていますが、とくかく長く見えます。首の細さや身長によって、一般的な長さのネクタイでもこのような見え方になってしまうのです。
ネクタイの結び方を工夫して、長さを調整する方法はないことはないですが、以上に太い結び目になってしまい、見栄えがどうも落ち着きません。そのため、今回はネクタイをバランスよくカットして長さを調整するお直しを行いました。

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お直し後 -アイテム-

彼の身長に合う最適な長さを算出し、ネクタイの大剣と小剣のバランスを見ながら、長さを調整いたしました。
洋服と同様に、ネクタイにもその人にあったサイズというものがある、というのはなかなかマニアックに思えるかもしれませんが、こうした部分にも気を使うことで、人からの見え方が変わっていきます。

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一般的なサイズダウンだけではなく、リメイクも、ぜひご検討ください。

Vol.2 香港シャツメーカー “Ascot Chang/アスコット・チャン”

アスコット・チャンの香港工房とオフィスは、香港の九龍半島側、黄埔/Whampoaという工業エリアにあります。
お店で展開をしている既成品などは、香港のすぐ隣の都市「深セン」の工場で作られていますが、ビスポークやMTM(メイド・トゥ・メジャー)などの主要な商品は、この香港工房で作られています。

工房の内部は広く開けており、大きく分けて、パターンメイキング、カッティング、縫製、検品といったチームに分かれて作業をしています。もちろん、縫製チームもその中でさらに細分化され、袖を縫製する職人、襟を縫製する職人といったように分業制が取られています。また、シャツへのネーム刺繍を担当する職人チームもおり、一針一針丁寧に手縫いで刺繍をしていました。手縫いでの刺繍は、時間がかかる工程であるが故に、ジャスティンは「ここが我々の”ボトルネック”ですね」と冗談交じりに言っていました。

こちらの写真は、アスコットチャンと言えばコレと言っても過言ではないほど、メディアによく登場する「パターンルーム/型紙保管室」です。ビスポークシャツを仕立てた顧客の型紙はここに全て保管をされます。
保管期間は10年間で、もし最後のオーダーから10年間オーダーがなければパターン/型紙は破棄されますが、10年間の中で一度でも再度オーダーがあれば更新されていきます。私のパターンもこの中に保管をされています。

最後に、余談になりますが、香港テーラーの中には「パターンを残さない」というやり方を取る職人も存在します。通常、採寸数値を元に、模造紙のような大きな紙にパターンを描き、それをカットした後、そのカットされたパターンを生地の上に置き、チョークでなぞることで生地に写し取ります。そして、その後、裁断です。
しかし、一部の香港テーラーは、採寸数値を元に生地に直接パターンを描き、その後すぐに裁断をするというやり方を取ります。いわゆる「直裁ち」という手法で、ナポリなどのイタリアンテーラーもこういった手法を取っているところが多く存在します。
ナポリの事情はわかりませんが、香港の場合、「家が狭すぎて、保管する場所がない」がために、パターンを残さないようになった、という香港の住宅事情が理由としてあります(もちろん、これが全ての理由ではありませんが)。

パターンがないがゆえに、「毎回仕上がりや着心地が違う」といったことが起きてくるのも香港テーラーの特徴ではありますが、それはイタリアンテーラーで感じるのと同じように「味がある」ということで、勘弁いただければと思います。

もちろん、全ての香港テーラーがそうではありませんので、誤解のないようにしておきたいと思いますが、アスコットチャンと同世代のW.W.Chan and Sonsなどの老舗テーラーは、パターンを作成・保管しており、毎回同じ質のスーツを提供しています。彼らのような老舗テーラーは、世界中に顧客を持っており、「ネイビー生地でもう一着お願い。2ヶ月後に香港行くからその時に受け取るよ」といったオーダーを電話やメールで受けることが非常に多いため、パターンを残していないと、安定したスーツを提供できないためです。

Text and Photos:Moto Kwok, Sally Kwok

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Moto Kwok-fan

Moto was born and raised in Japan and has lived and worked in Shanghai and Hong Kong.
After he graduated from university, Moto started his career as a real estate and investment agent and digital-marketing. He worked for this industries for about six years and afterwards he started own business as marketing and some fashion brand agent.
In 2018, he joined SARTO GINZA as director and now he in charge of the marketing, promotion and sales department.

Menswear enthusiast and movie props, LEGO block, old Kenner/Hasbro Action figures “Huge Collector”

【香港】アーモリー主催「SAMPLE SALE」参加のご案内

この度、サルト銀座店は7月17日(水)から7月21日(日)に、香港にて開催されるセール・イベントに参加いたします。

こちらは、香港にある世界的な紳士服店「The Armoury/アーモリー」が主催する、 4年に一度のクリアランスセールとなり、アーモリー商品はもちろんのこと、
中古/ヴィンテージ販売ブランド「Drop93/ドロップ93」、老舗シャツメーカー「Ascot Chang/アスコットチャン」
北京のセレクトショップ「Brio/ブリオ」など世界中から様々な一級品が一同に集まる一大イベントとなります。
サルトも、弊社でお取り扱いをしているブランド、ならびにパートナーたちの商品を、 特別価格にて販売予定でございます。

【店舗のお知らせ】夏季休業のご案内

平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。
サルト銀座店では、誠に勝手ながら下記日程を夏季休業とさせていただきます。

8月14日(水)・8月15日(木)

休業期間中にいただいたお問い合わせについては、営業開始日以降に順次回答させていただきます。
皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。

【メディア掲載】LEON.jpに掲載されました。

雑誌「LEON(主婦と生活社)」のWebメディア「LEON.jp」の
クラシコアジア特集に、弊社サルト銀座店が掲載されました。

数年前からクラシックメンズウェアが盛り上がり続けているアジアに関して、
弊社Moto Kwokがお話をさせていただいております。
記事の中では、弊社が日本パートナーを務めております、Drop93/ドロップ93ならびにThe Armoury/ジ・アーモリー、
そして、台湾の「Oak Room/オークルーム」を紹介させていただきました。

お陰様で、現在、たくさんのお問い合わせとご予約を頂戴しております。
弊社にご相談にお越しいただけます場合は、事前のご予約をいただいたほうが、スムースにご案内が可能でございます。
下記のお電話またはお問い合わせフォームよりご予約できますので、ご確認くださいませ。