Liverano & Liverano/リヴェラーノのお直し第2回目は、フィッティングの様子をご紹介いたします(第1回の記事はこちらから)。
サルト銀座の特徴の一つであるのが、このフィッティングという工程になります。ウエスト一つ絞るにしても、胸から詰めるのか、ウエストからなのか、、、。また、ジャケットの場合は前身頃と後ろ身頃が存在するため、前身頃が大きいのか、後ろ身頃が大きいのかを見極めて、バランスの崩れないようにサイズを詰めていく必要があります。
このバランスや詰める場所をしっかりと見極めるため、そして、お直ししたシルエットを事前にお客様にイメージしていただくために、フィッティングという工程を必ず行わせていただいております。
フィッティング
下記の写真がフィッティングとなります。今回、Liverano/リヴェラーノという特殊な手縫いスーツになりますので、フィッティングを非常に高度な技術が必要となります。また、そもそもこのテーラーのスタイルを熟知していないと、最終的に「サイズは合ったけれど、このテーラーの良さや雰囲気がなくなった」ということも起きてきます。
幸い、今回は、このリヴェラーノをこよなく愛するフィッターが担当させていただいたため、「雰囲気や特徴を守ったまま、サイズダウンする」というお直しが可能になりました。職人の技術力のみならず、採寸を担当するフィッターの洋服への知識や愛情が「お直し」という世界では非常に重要なのです。
サルトでは、世界中の上質なテーラーのスーツを仕立てた経験や、販売した経験のあるスタッフがいるのはもちろん、それらをお直しした経験のある職人が在籍しておりますので、リヴェラーノのような総手縫いのスーツも安心してお持込頂いております。
写真なので、少々分かりづらいかもしれませんが、至るところにピン(まち針)が打たれています。肩幅、襟、身幅、着丈、袖幅、袖丈、パンツの裾幅、股下、ウエスト、、、、店舗のピンを使い果たすのではというほどの数でした。
一応、ご説明をしておきますと、ピンを打っている場所をお直しするのではなく、ピンはあくまでも「詰める寸法」を知るためと、お客様にお直ししたイメージをわかりやすく持っていただくためのもので、ピン打ちを経て導き出した寸法をもとに、洋服の分解図が書かれた補正図という紙に、洋服のどの部分を何ミリ、何センチ、どのように詰めるのかという指示を記載して、職人に指示をしています。
お客様からが帰られた後、担当フィッターたちは、お客様の体型の特徴を考えながら、どこをどういったバランスで、どういったラインで詰めるべきなのかを考えながら、補正図を書いているのです。
ちなみに、今回はスーツの完全な仕立直しとなるため、お直しではありますが、「仮縫い」を行いました。3回目は仮縫いの様子をご紹介いたします。
文:Moto Kwok-Fan(モト・クオック・フアン)
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