【4】Liverano & Liverano/リヴェラーノのお直し

Liverano & Liverano/リヴェラーノのお直し第4回目は、とうとう完成品のご紹介です。(第1回の記事第2回目の記事第3回の記事

お直し完了後の完成品

 直線部分以外のほとんどの箇所を手縫いで仕立てられていたわけですが、仮縫い後の本縫いも一部を除いてすべて手縫いで仕立て直しました。職人曰く、襟や袖の縫い付け以上に苦労をしたのが、ポケット部分にデザインとして入っていた極小ステッチの再現とのことです。
 一度ステッチを生地に跡が残らないように綺麗にほどき、お直しが完了した後に、そのステッチを元のそれと同じように入れ直すという作業になりますが、ステッチは表から見える部分ですので、ほかの部分とは違った神経を使う作業だったそうです。
 もちろん、ステッチを入れないでも着心地や、正直に言えば見た目にもさほど影響しないのですが、「オリジナルのテーラーの雰囲気を再現する」というサルト銀座としてのこだわりは、最後まで突き通させていただきました。

最後にお直し前と後のお写真を並べてみましょう。

liverano-before1
お直し前
お直し後

【13日(日)の銀座店・伊勢丹メンズ館店の営業時間に関して】

平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。

明日10/13(日)の営業時間は、銀座店:正午12時より、伊勢丹メンズ館店:午後14時営業開始予定とさせていただきます。
なお、鉄道の運休・遅延、入場規制などの影響でご案内が遅れる可能性もございます。
お客様にはご不便をおかけ致しますが、予めご了承ください。

Regarding our opening hours on tomorrow 13th Oct.
SARTO GINZA Store 12am to 0730pm.
SARTO ISETAN MEN’S Store 2pm to 8pm.

關于明天10月13日(週日)的営業時間,
SARTO銀座店 從上午十二點到下午七點半
SARTO伊勢丹新宿MEN’S館店 從下午二點到下午八點

【12日(土)の銀座店・伊勢丹メンズ館店の営業に関して】※10月11日12時 更新

平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。

台風19号接近に伴い、10/12(土)は、銀座店ならびに伊勢丹メンズ館店は臨時休業とさせていただきます。
尚、伊勢丹におきましては、全館終日休業となります。

13日の営業開始時間に関しましては、銀座店が正午12時、伊勢丹メンズ館店が午後14時からの営業開始となります。
なお、台風15号同様に交通機関の運休・遅延、入場制限などでスタッフが出勤できない場合は、ご案内可能なスタッフが少ない可能性もございます。
お客様にはご不便をおかけ致しますが、予めご了承ください。

The following SARTO GINZA Store and Isetan Mens Store will be temporarily closed on 12th Oct due to the approaching typhoon No.19.
We apologize for any inconvenience this may cause.

由于受到19號颱風影響、SARTO銀座店和SARTO伊勢丹新宿MEN’S館店將于10月12日(週六)停止營業。
對各位顧客造成不便,敬請諒解。

雑誌「ミセス」に掲載された、コートのサイズとデザイン直し

今回は、「メンズライクなトレンチコートを、女性らしいノーカラーコートへ変更」したお直し/リメイクのご紹介。
実はこのお直しは、雑誌「ミセス」2018年11月号の別冊に掲載いただき、その後大反響を頂戴したものになります。

「いいものや大切なものを長く着るために、その時々の自分の感覚とサイズに合わせて変化させる。修理やリメイクはその人の生き方でもあります」

 いきなり引用いたしましたこちらの言葉はは、雑誌の中でサルト代表の檀がお話させていただいた我々のお直しに対する考え方です。お直しと人生を重ねることは大げさに感じるかもしれませんが、思い出のあるものを大切に長く使い続けるということは、人生を共にしていうわけですので、あながち大げさなことではないのではと思っています。
 当たり前になった「消費し続ける生き方」から少し進んだ(もしくは、立ち戻って)、”良いものを手入れしながら、時にはお直しながら作り変えながら長く使う”という生き方をお直しを通して、お伝えできればと思っています。

 さて、そんな思いを胸に、今回のお直し/リメイクも進めさせていただきました。下のお写真をご覧ください。こちらは、レディースのトレンチコートなのですが、デザインがメンズライクゆえに硬い印象があります。こちらをサイズ調整とデザイン変更によって、女性らしいシルエットのノーカラーコートへお直しをしていきました。

ミセス1

 着丈やウエストといった単純な部分だけなく、肩幅やアームホールまで調整をする大仕事となり、ほぼすべてのパーツを分解し、一枚の布に戻してから、裁断をしていきました。その後、裁断したパーツをまた一つに縫い合わせていき、見事なノーカラーコートが完成しました。こういった大仕事のお直しは、全体をほどいてから、裁断し、また縫い合わせていくので、ゼロから洋服を作るよりも大変で時間がかかるのです。

 そして、完成したノーカラーコートが下の写真になります。装飾を外し、サイズとシルエットを変更したことで、何とも女性らしいコートに生まれ変わりました。

ミセス16

 こうして並べると、最初のデザインとの違いがお分かりいただけると思います。サルトでは、サイズお直しではなく、こうしたシルエットやデザインの変更までどんなご相談でもお受けしております。

お直し/リメイク前
お直し/リメイク後

Vol.4 香港テーラー”W.W.Chan & Sons/WWチャン”

 前回、私がWWチャンでスポーツコートをオーダーしているというお話をしました。今回は、WWチャンの採寸に関してお話させていただきます。下の写真が、パトリックに採寸をしてもらっている様子です。
 肩幅、胸幅などを採寸してヌード寸を取り、肩の傾斜角度などの身体の特徴も細かく確認した後で、下記のようなジャケットによる、「サイズ感」や「シルエット」の確認をしていきます。

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 私が袖のないジャケットを着ていますが、これがサイズ感やシルエットを確認するためのWWチャンならではの採寸キットになります。MTMやパターンオーダーなどでは、各サイズの見本ジャケット(ゲージ)を着用して採寸をしていきますが、このWWチャンのキットはそういった意味合いのものではありません。
 実はこのジャケットは、前見頃と後ろ見頃が分かれており、上の写真は、肩部分をピンでとめている状態なのです。下の写真をご覧いただくと、肩の部分の生地が浮いており、ピンで留めているのがわかると思います。

 前と後ろのパーツがバラバラですので、肩の部分だけでなく、脇の部分も縫い付けられていません。さらに、脇にはウエストの絞り具合を確認するための線が縫い付けられています。この線を基準にしてウエストの絞りを調整していきます。脇ほど細かな線はつけられていませんが、肩にも基準となる線がつけられています。

 この採寸ジャケットを用いることで、採寸の段階で「ウエストの絞り具合」や「肩の傾斜」などを確認し、補正ができるため、より正確なパターンを引くことができ、なにより初縫いの段階で、極めて完璧に近いものを仕上げることができるのです。特に、肩の傾斜に関しては、下記のように肩パットの有無はもちろん、パットの厚さまで採寸の段階で確認ができるので、非常に効率的で正確な採寸方法であると思います。

www.timelessman.com.au
www.timelessman.com.au

 こうした採寸を経て、約1か月程度で初縫いが完成します。私の場合、ほとんど補正の必要がなく、袖丈の確認程度で終了するほど完成度の高い初縫いでした。あとは中縫いを残すのみですが、パトリックに中縫いをしてもらえるのは、おそらく年末か来年になりそうです。
 というのも、中縫い自体はすでに仕上がっていて、私も10月にThe Armoury/アーモリーの9周年パーティーへ出席するために香港へ行くので、その時に中縫いをやってもらおうと思っていたのですが、ちょうどパトリックが不在のタイミングだったため、次回彼が香港にいるときに中縫いをお願いするという話になったのです。

 実は、10月はパトリックがカリフォルニアからシカゴ、ニューヨーク、DCまでアメリカ中を駆け巡る「アメリカトランクショーシーズン」で、ほぼひと月、彼は香港を留守にするのです。下記に10月のトランクショー予定を載せておきましょう。

 ちなみに、唸るほど忙しい10月の後は、11月がオーストラリアのシドニー、メルボルン、シンガポールと続き、さらに、11月後半から12月初めはロンドン、パリ、スイス/チューリッヒでトランクショーを行います。  

 最近、パトリックが海外トランクショーで不在の場合は、弟子のアーノルドやライアンが店を守っていますので、いつWWチャンに行かれても問題なくオーダーや仮縫いが可能ですが、パトリックに会われたい方は彼らのトランクショーのスケジュールを確認してから行くとよいかもしれません。英語や広東語がわからなければ、サルトにご確認いただければ、私が予約の手配までさせていただきます。

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パトリックによる初縫いの様子

Text and Photos:Moto Kwok, Sally Kwok

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Moto Kwok-fan

Moto was born and raised in Japan and has lived and worked in Shanghai and Hong Kong.
After he graduated from university, Moto started his career as a real estate and investment agent and digital-marketing. He worked for this industries for about six years and afterwards he started own business as marketing and some fashion brand agent.
In 2018, he joined SARTO GINZA as director and now he in charge of the marketing, promotion and sales department.

Menswear enthusiast and movie props, LEGO block, old Kenner/Hasbro Action figures “Huge Collector”

Vol.2 Magic Number

   The expert fitters and tailors at Sarto Ginza are committed to helping you look your best.  It’s one of their core operating principles.  They carefully take into consideration each customer’s body type, weight and height, as well as what image that customer is presenting and the occasion at which the garment is to be worn.  In my case the experienced and talented fitter, Naoko Matsuo, who speaks English fluently, came up with a combination of numbers to unlock the proportions of trousers that enhanced my personal look and image.  A 77 cm inseam with a 19 cm leg opening and 5 cm cuffs.  These are my magic numbers.

  The standard width of cuffs in Japan is 4 cm.  However, when I requested 4 cm cuffs on a pair of suit trousers in an attempt to be more conservative, Matsuo san commented, “those cuffs look a little lonely down there.”  She recommended a 5 cm cuff because I have somewhat long, slim legs and can therefore carry a wider cuff.  When the trousers came back with a 5 cm cuff I was surprised at what a difference 1 cm made.  The entire suit took on a more stylish look without calling too much attention to the cuffs.  

   Aside from what one might expect a tailor to be able to do with trousers, such as adjusting the length, finishing the bottoms and taking in or letting out the waist, there are other things that Sarto 
Ginza can do.  The legs of trousers can be tapered to change the silhouette of the trousers.  Pleats can be removed or reversed, too, in order to optimize the volume and line of the trousers.

   In one case, I had a pair of tweed trousers that I liked but was bothered by how much volume the double forward pleats created.  
Matsuo san recommended removing the second pleats and reversing the main pleats.  The result was that the volume was reduced substantially but there was still a clean line from the waistband to the cuffs, thereby elongating the appearance of the legs.  A pair of trousers that I was thinking of giving away quickly became one of my favorites.

   Another alteration that I was surprised to learn about at Sarto was that the waistband can be lowered.  The degree to which it can be lowered depends on the length of the pockets, but in many cases it is possible.  Lowering the waistband will shorten the rise of the trousers if that suits your body type the best.

   Perhaps one of the most difficult areas to get right is the seat of the trousers.  Not a problem for Sarto.  I have a “European figure,” which basically translates to not having much of a backside to speak of.  Through a process called “hollowing out,” Sarto is able to get the seat of my trousers to look perfect, allowing me to be able to take off my jacket with confidence.

   The magic numbers that Sarto 
Ginza came up with for me have kept me looking my best for years.  If you want to look your absolute best, take your garments to Sarto Ginza and let the experts there recommend your magic numbers.

Text:David Retzlaff

David Retzlaff

Our good friend David has worked internationally for the past 25 years as a model, stylist, photographer ‘s assistant and most recently as a fashion journalist.

Vol.3 香港テーラー”W.W.Chan & Sons/WWチャン”

 今回は、WWチャンのスタイルのお話をさせていただきます。まず、現在、私がWWチャンのマスターカッター パトリックに頼んで仕立てているスポーツコートをご覧ください。

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 実はまだ1回目の仮縫いしかできておらず、この状態ですが、10月中に香港で中縫い(2回目の仮縫い)をやってもらう予定です。生地はヴィンテージのウール100%で、色味はグリーンです。写真ではグリーンにもグレーにも見えるかと思いますが、実際に見ると赤や青の糸も見え隠れし、より複雑な色をしています。何色もの糸を使っているというのはヴィンテージ生地の一つの特徴でもありますね。
 
 今回私がオーダーしたのは、彼らのハウススタイルほぼそのままですが、英国的な構築されたスタイルから少し砕けたものでお願いしました。肩パットなしで少し広めの肩幅、胸やウエストはゆったりと。参考にパトリックの着用しているスタイルをご覧いただければ、イメージがつくと思います。

 WWチャンに関してはもちろん10年以上前から知っていますが、このスタイルのジャケットを数年前に初めて見たときは驚きました。というのも、老舗の香港テーラーが仕立てたジャケットというのは、基本的に肩のラインが「四角い」からです。イギリスのスーツがそうであるように、香港の老舗テーラーが仕立てるそれも分厚い肩パッドが入った真四角なつくりで、鎧のようなスーツが一般的でした(映画「キングスマン」でコリン・ファースなどが来ているスーツを見ていただければ、私の言う「四角い」という意味がお分かりいただけるかと思います)。
 もちろん、香港テーラーでも肩パッドを薄くしたり、なくしたりする仕立てもやってはいましたが、パターン自体(スーツのデザイン)が英国的であるために、どうやっても四角いシルエットのスーツになってしまうのです。
 ところが、上でパトリックが着ているジャケットは四角ではなく、三角というか、滑らかな肩のラインから、これもまた滑らかな袖がカーブを描きながら流れています。これのスタイルは、ただ単に肩パッドをなくすというレベルの話ではなく、老舗テーラーが新しいスタイルを受け入れ、研究をし、長年使い続けてきたパターンではない、新しいパターンで取り入れたからに他なりません。

 この「新しいスタイルを受け入れて、研究をする」というのが、パトリック、そして、WWチャン香港の魅力であり、強味です。WWチャンが、香港で最も尊敬され、世界中から支持をされるのは、考え方が柔軟で、日々研究を続けるパトリックが屋台骨だからこそです。
 パトリックは、長い歴史を持つレッドギャングテーラーの誇りと技術を守りつつ、多くの顧客の要望に応えるために新しいスタイルやデザインを受け入れ、WWチャンのエッセンスを盛り込んだうえで、顧客に提案を続けているのです。
 
 また、パトリックは今現在、北京のBrioや東京・香港のBryceland’s & Coとコラボレーションモデルを展開していますが、それも彼が要望を的確に理解し、それを実現し、対応できる技術と柔軟さがあるからこそです。
 下の写真は、パトリックがBryceland’sのためにパターンを引いたBryceland’sオリジナルのMTMスーツで、着用しているのはオーナーの一人である、Kenji Cheung/ケンジです。上のパトリックの写真と比べても、肩の落ち方などがまったく違うことがお分かりいただけると思います。

 ちなみに、日本の方で、パトリックの世界観を体験された場合は、こちらのBryceland’sモデルであれば、
Bryceland’sの東京・神宮前ストアでオーダーが可能です(WWチャン香港のオリジナルハウスカットは香港のショップでのみオーダー可能です)。

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Kenji Cheung/ケンジ

Text and Photos:Moto Kwok, Sally Kwok

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Moto Kwok-fan

Moto was born and raised in Japan and has lived and worked in Shanghai and Hong Kong.
After he graduated from university, Moto started his career as a real estate and investment agent and digital-marketing. He worked for this industries for about six years and afterwards he started own business as marketing and some fashion brand agent.
In 2018, he joined SARTO GINZA as director and now he in charge of the marketing, promotion and sales department.

Menswear enthusiast and movie props, LEGO block, old Kenner/Hasbro Action figures “Huge Collector”

【シェア】香港シャツメーカー「Ascot Chang/アスコットチャン」オーダー会のお知らせ

1953年創業の香港の老舗ビスポークシャツメーカー「Ascot Chang/アスコットチャン」が、9月29日と30日に東京で来日オーダー会を開催いたします。

私 Moto Kwok と同世代で良き友人である、創業家3代目のジャスティンの「日本のお客様にぜひアスコットチャンのシャツをご体験いただきたい」という思いを向け、友人として皆様にご紹介させていただきました(サルトがパートナーとして開催するトランクショーではございません)。

彼らのシャツは、日本でもBrycelands & Coで手に入れることが出来ますが、ビスポークシャツのオーダーは基本的にこちらのトランクショーのみとなります。
また、トランクショーでは、ブラウス、パジャマ、ボクサーパンツ、スーツなど、シャツ以外のオーダーも可能です。

お問い合わせやご予約は、お気軽に下記、お問い合わせフォームよりご連絡ください(日本語可)。
■東京
日時:9月29日(日)・30日(月)
会場:赤坂エクセルホテル東急

※会場はサルト銀座店ではございません。
※シャツは3枚からのオーダーになります。
※東京の後、大阪もございます。大阪は、日時:10月1日・2日、会場:大阪ヒルトンホテル

【イベント】Shibumi FirenzeとVanda Fine ClothingのPOP-UPイベント開催のお知らせ

サルト銀座店では、10月4日~6日の3日間、アジアを代表するテーラー「B&Tailor/ビーアンドテーラー」の来日オーダー会を開催いたします。
すでに多くの方にご予約いただいたおりますので、ご興味のある方はお早めにご連絡ください。

さらに、今回は、イタリア・フィレンツェのブランド「Shibumi Firenze/シブミ フィレンツェ」と、
シンガポールのオーダーネクタイブランド「Vanda Fine Clothing/ヴァンダ ファイン クロージング」
POP-UPイベントも同時に開催させていただくことといたしました。

「Shibumi Firenze」からは、ユニークな浮世絵モチーフをはじめするチーフ・ネクタイの販売、
「Vanda Fine Clothing」からは、素材色柄、幅・長さをお選びいただける、
ネクタイのメイド・トゥ・オーダー の受注をお受けする予定でございます。

TEL:03-3567-0016

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Shibumi Firenze

 「Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)」は、イタリア・フィレンツェで2012年に創業した、ネクタイ・チーフを中心としたブランドです。
 日本の浮世絵や地図をモチーフにしたチーフや古い着物から作ったチーフなど、日本文化からインスピレーションを受けたコレクションを多く展開しており、イタリアや周辺ヨーロッパだけでなくアジアでも大人気のブランドです。

内容:ネクタイ・チーフの販売
価格:チーフ 6,700円~(税抜)、ネクタイ 14,000円~(税抜)

Vanda Fine Clothing

「Vanda Fine Clothing(ヴァンダ ファイン クロージング)」は、シンガポールの新鋭オーダーネクタイブランドです。
 素材はもちろん、太さや長さをセレクトできるオーダーメイドを中心に展開しており、手縫いを多用した丁寧な仕立てで世界的に注目されています。
 この度、サルト銀座が初めて日本での展開を開始いたします。

内容:ネクタイのオーダーメイド(4つ折り、6つ折り等)
価格:18,000円~(税抜)
納期:1か月半~2か月
※ブランドの用意した生地サンプルから選択した場合
※ 2本からのご注文をお願いしております。
※スーツ生地や持ち込み生地でのお仕立ても可能です。

【イベント日程】
2019年10月4日(金)14:00 – 19:00
2019年10月5日(土)11:00 – 19:00
2019年10月6日(日)11:00 – 16:00

【開催場所】
サルト銀座店3F
東京都中央区銀座2-6-16 第二吉田ビル3F

ご予約、お問合わせは、下記お問い合わせフォームまたはお電話にてお願い致します。

TEL:03-3567-0016

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Vol.2 香港テーラー”W.W.Chan & Sons/WWチャン”

 Vol.1で、「レッドギャングテーラー」のお話をしましたが、「上海系」、「広東系」、「インド系」、「ポルトガル系」など、より細分化して区別する人もいます。 
 ざっくりとご説明すると、上海系は、Vol.1でご説明した通り、WWチャンのようなテーラーのことで、上海で学び、香港へ移ってきたテーラーを指します。仮縫いを2回行うなど時間をかけて仕立てる香港テーラーの多くが上海系と呼ばれています。下に写真を載せましたが、これは上海にあった学校「カッティング&テーラリングカレッジ」の卒業証書で、WWチャンの創業者 チャン・ウィンワー氏のものです。写真は、中国・北京のセレクトショップでWWチャンのトランクショーも開催しているBrio Beijingからお借りました、謝謝 George!。
 余談ですが、上海系テーラーはその文字の通り上海からやってきた上海人の職人も多くいるため、工房内で広東語ではなく上海語を話す方も多くいます。以前、とある香港テーラーの工房へお邪魔した際、上海語が飛び交っていて、非常に驚きました。私は上海の大学で学んでいましたので、多少上海語が分かりますが、まさか香港で上海語を聞くとは思っていなかったのでとても驚きました。ただ、香港テーラーの起源は杭州/寧波や上海であるということを再認識する出来事でもありました。

 話を戻して、「広東系」、「インド系」、「ポルトガル系」ですが、これらは細かく話をすれば長くなりますが、これもまたざっくり説明をすると「スピード(が速い)」というのが特徴です。初回の仮縫いを採寸した翌日に行うといったのはザラというか、これでも遅いほうで、「仮縫いするから数時間後に戻ってきてね!」というのが普通であったりします。もちろん、完成までも早く数日や数週間で完成し、数日間の旅行や出張のうちに受け取りまでできてしまうほどのスピード感です。もっと言えば、「24時間で仕立てる」といったテーラーまであります。
 多くの日本人にとっての香港テーラーのイメージの多くは、実は上記の「広東・インド・ポルトガル」系テーラーであることが多いです。2、30年前に時計を戻して、当時の香港を思い出してみると、カメラと札束を持った日本人が押し寄せて「爆買い」をしていた姿が鮮明に思い浮かぶかと思います。
 この時、ブランドの爆買いに合わせて、「香港でオーダースーツ」というのも一つのトレンドでした。そして、オーダースーツを求める日本人の多くが訪れていたのが、今まさにご説明した安くて速いテーラーです。もちろん、WWチャンなど正統派のテーラーでじっくりと時間をかけて良いものを仕立てていた人もいますが、多くは「安さと速さ」を取り、24時間仕立てテーラーでスーツを何着も仕立てていました。

 サルトでも香港スーツのお直しを多く受けてきましたが、その多くはやはり24時間仕立てなどのテーラーのものでした。ミシンをフル活用したとしても多くの時間を必要とするスーツ仕立てにおいて、ここまで短時間で完成するということは、なにかを犠牲にしているということですので、「これは。。。」といった出来のものがあるのも事実です。ただ、同時に意外と完成度が高いものがあり、驚くことも多いです。なぜここまで安く、そして短時間でできるのかという部分は、とてもディープな裏話になりますので、ここでは遠慮しましょう。

Text and Photos:Moto Kwok, Sally Kwok

WWチャン創業者 チャン・ウィンワー氏の上海カッティング&テーラリングカレッジの卒業証書, pic by BRIO
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Moto Kwok-fan

Moto was born and raised in Japan and has lived and worked in Shanghai and Hong Kong.
After he graduated from university, Moto started his career as a real estate and investment agent and digital-marketing. He worked for this industries for about six years and afterwards he started own business as marketing and some fashion brand agent.
In 2018, he joined SARTO GINZA as director and now he in charge of the marketing, promotion and sales department.

Menswear enthusiast and movie props, LEGO block, old Kenner/Hasbro Action figures “Huge Collector”