雑誌「ミセス」に掲載された、コートのサイズとデザイン直し

今回は、「メンズライクなトレンチコートを、女性らしいノーカラーコートへ変更」したお直し/リメイクのご紹介。
実はこのお直しは、雑誌「ミセス」2018年11月号の別冊に掲載いただき、その後大反響を頂戴したものになります。

「いいものや大切なものを長く着るために、その時々の自分の感覚とサイズに合わせて変化させる。修理やリメイクはその人の生き方でもあります」

 いきなり引用いたしましたこちらの言葉はは、雑誌の中でサルト代表の檀がお話させていただいた我々のお直しに対する考え方です。お直しと人生を重ねることは大げさに感じるかもしれませんが、思い出のあるものを大切に長く使い続けるということは、人生を共にしていうわけですので、あながち大げさなことではないのではと思っています。
 当たり前になった「消費し続ける生き方」から少し進んだ(もしくは、立ち戻って)、”良いものを手入れしながら、時にはお直しながら作り変えながら長く使う”という生き方をお直しを通して、お伝えできればと思っています。

 さて、そんな思いを胸に、今回のお直し/リメイクも進めさせていただきました。下のお写真をご覧ください。こちらは、レディースのトレンチコートなのですが、デザインがメンズライクゆえに硬い印象があります。こちらをサイズ調整とデザイン変更によって、女性らしいシルエットのノーカラーコートへお直しをしていきました。

ミセス1

 着丈やウエストといった単純な部分だけなく、肩幅やアームホールまで調整をする大仕事となり、ほぼすべてのパーツを分解し、一枚の布に戻してから、裁断をしていきました。その後、裁断したパーツをまた一つに縫い合わせていき、見事なノーカラーコートが完成しました。こういった大仕事のお直しは、全体をほどいてから、裁断し、また縫い合わせていくので、ゼロから洋服を作るよりも大変で時間がかかるのです。

 そして、完成したノーカラーコートが下の写真になります。装飾を外し、サイズとシルエットを変更したことで、何とも女性らしいコートに生まれ変わりました。

ミセス16

 こうして並べると、最初のデザインとの違いがお分かりいただけると思います。サルトでは、サイズお直しではなく、こうしたシルエットやデザインの変更までどんなご相談でもお受けしております。

お直し/リメイク前
お直し/リメイク後

リメイクのご紹介

今回は「ここまでする?!」といったものをご紹介いたします。
下記の写真のベストをご覧ください。

ベスト1

こちはら、ブランド DRIES VAN NOTENのものですが、実はもともとパンツでした。
上下スーツだったのですが、パンツのサイズが小さくなり、限界まで寸法を大きくしても足りないほどだったため、ベストへ作り替えをしたのです。

上記の写真は、パンツを分解してベストに作り替える途中のものです。
分解途中ですので、もともとパンツであったことも伝わりにくいかもしれませんね。。。

パンツからベストへリメイクする中で、多少生地が余ったので、組上のジャケットの身幅も、パンツからとった生地を使って「身幅出し」を行いました。

パンツはベストに生まれ変わり、サイズの小さかったジャケットは、パンツの記事を使ってサイズを大きくすることで、これもまた蘇りました。

お直しといってもいろいろなやり方があり、こうした「作り替え/リメイク」も一つの方法です。
そのままの形では使うことができなくても、別の形に変化させることでさらに長く使い続けることができる場合もあります。
ぜひ、リメイクなどのご相談もお気軽にご相談くださいませ。

【3】Liverano & Liverano/リヴェラーノのお直し

 Liverano & Liverano/リヴェラーノのお直し第3回目は、仮縫いの様子をご紹介いたします(第1回の記事第2回目の記事)。
 サルト銀座の特徴の一つとして、前回「フィッティング」という工程をご紹介いたしましたが、今回ご紹介する「仮縫い」もまた、我々の特徴と言ってもよいかもしれません。

仮縫い

 通常、「仮縫い」という工程は、フルオーダーメイドのスーツを作る際に行われる工程で、採寸数字を元に簡易的に縫製したスーツを一度お客様に着ていただき、細かな部分の調整をしていく工程になります。
 お直しの場合、仮縫いという工程が発生することは少ないですが、今回のような大型のお直しの場合や、お客様がご希望される場合は、仮縫いを実施させていたくことがございます。

fitting1

 所々に白い糸が見えるかと思いますが、それが生地を仮止めしている糸になります。この白い糸を解けば、このスーツはまたバラバラの「布」に戻ります。
 今回は、カッティングやスタイルが独特なリヴェラーノのスーツであることと、なにより手縫いでのお直しになることもあり、仮縫いの工程は非常に重要でした。
 こうして実際に着用していただき、立体的な状態で見せていただくことで、初めて分かる問題点もありますし、すでに把握していた問題点に対しても、改めて確認することができるため、完成度の高いお直しをご提供することが可能になります。


今回の仮縫いの後、職人が「本縫い(実際の糸で縫って完成させる)」を行い、こちらのリヴェラーノは感性いたします。次回は、いよいよ完成品のご紹介です。

文:Moto Kwok-Fan(モト・クオック・フアン)

大胆にシルエット調整

               譲り受けたけど大きくて着られない。デザインや素材が気に入って購入したけど大きくて着ていない。
               洋服でこの様な経験をされた方も多いはず。
               オークション、古着屋に売却、知人に譲る前にSARTOにご相談ください。

フィッティング前

               スタッフがお客様から譲って頂いたコートを大幅に手直ししていきます。
               今回はまずお直し前の状態からご紹介致します。
               直し完了後は追ってご紹介致しますのでお楽しみに。

               さて、こちらはおおよそ30年前のコート。
               もともとサイズが合っていないこともありますが、、、
               ご覧の通り身幅だけでなく全体的に大きいですね。
               このままでは折角のコートもきれいに着こなすことができません。


                 フィッティング後

                思い切ってゴージの位置も上に引き上げて全体をコンパクトに調整していきます。
                肩から胸周りにかけていかにつないでいくか、、、
                かなり大きな直しになりますが仕上がりが楽しみです。
                改めまして、サイズでお悩みの場合はSARTOへご相談ください。 

コートのライナー作成

                 暦の上では秋ですが、まだまだ暑い日が続きそうですね。
                  暑い中ではございますが、今回はコートの「ライナー」について皆様にご提案です。
                 ・気に入ったコートだけど「ライナーが付いていればもっと長い期間着られるのに・・・」
                 ・家族から「譲り受けたコートのライナーが無かった」。
                この時期このようなライナーに関するお問合せを多く頂きます。
                ブログを読んでいる方の中にも同じ経験をされた方、いらっしゃるのではないでしょうか。

ライナー取り付け前

                 写真のコートは生地の厚さから厚手インナーを着用すれば秋冬に着用出来そうです。
                  しかし、中に厚着をすると着ぶくれしてしてしまいコートのラインが上手く出ません。
                 そこでライナーの登場です。
                 もともとこちらのコートはライナーが無いタイプです。  

ライナー取り付け後

              SARTO銀座店にある生地サンプルから生地を選び取り外し可能なライナーを取り付けました。
                表地に合わせた色味を作るもよし、アクセントカラーになる物で作るもよし。
              作り付けのライナーは防寒機能の他に着こなしの幅を広める重要な役割も持っているんです。 

既にライナーの付いているコートの替えライナーも作ることができます。
     Yシャツやネクタイを日により交換するように、ライナーも交換することで着こなしを楽しむのもお勧めです。

【2】Liverano & Liverano/リヴェラーノのお直し

 Liverano & Liverano/リヴェラーノのお直し第2回目は、フィッティングの様子をご紹介いたします(第1回の記事はこちらから)。
サルト銀座の特徴の一つであるのが、このフィッティングという工程になります。ウエスト一つ絞るにしても、胸から詰めるのか、ウエストからなのか、、、。また、ジャケットの場合は前身頃と後ろ身頃が存在するため、前身頃が大きいのか、後ろ身頃が大きいのかを見極めて、バランスの崩れないようにサイズを詰めていく必要があります。
 このバランスや詰める場所をしっかりと見極めるため、そして、お直ししたシルエットを事前にお客様にイメージしていただくために、フィッティングという工程を必ず行わせていただいております。

フィッティング

 下記の写真がフィッティングとなります。今回、Liverano/リヴェラーノという特殊な手縫いスーツになりますので、フィッティングを非常に高度な技術が必要となります。また、そもそもこのテーラーのスタイルを熟知していないと、最終的に「サイズは合ったけれど、このテーラーの良さや雰囲気がなくなった」ということも起きてきます。
 幸い、今回は、このリヴェラーノをこよなく愛するフィッターが担当させていただいたため、「雰囲気や特徴を守ったまま、サイズダウンする」というお直しが可能になりました。職人の技術力のみならず、採寸を担当するフィッターの洋服への知識や愛情が「お直し」という世界では非常に重要なのです。

 サルトでは、世界中の上質なテーラーのスーツを仕立てた経験や、販売した経験のあるスタッフがいるのはもちろん、それらをお直しした経験のある職人が在籍しておりますので、リヴェラーノのような総手縫いのスーツも安心してお持込頂いております。

 写真なので、少々分かりづらいかもしれませんが、至るところにピン(まち針)が打たれています。肩幅、襟、身幅、着丈、袖幅、袖丈、パンツの裾幅、股下、ウエスト、、、、店舗のピンを使い果たすのではというほどの数でした。
 一応、ご説明をしておきますと、ピンを打っている場所をお直しするのではなく、ピンはあくまでも「詰める寸法」を知るためと、お客様にお直ししたイメージをわかりやすく持っていただくためのもので、ピン打ちを経て導き出した寸法をもとに、洋服の分解図が書かれた補正図という紙に、洋服のどの部分を何ミリ、何センチ、どのように詰めるのかという指示を記載して、職人に指示をしています。
 お客様からが帰られた後、担当フィッターたちは、お客様の体型の特徴を考えながら、どこをどういったバランスで、どういったラインで詰めるべきなのかを考えながら、補正図を書いているのです。

ちなみに、今回はスーツの完全な仕立直しとなるため、お直しではありますが、「仮縫い」を行いました。3回目は仮縫いの様子をご紹介いたします。

文:Moto Kwok-Fan(モト・クオック・フアン)

ネクタイの長さ調整のオススメ

多くのお客様から、こんなお声を頂戴することが多くございます。
「女性ものも直せるんですか?」、「デニムも持ってきていいんですか?」。
もちろん、大丈夫でございます。

スーツのお直しが最も多い我々でございますが、決して、スーツ専門、男性専門ではございません。
レディースのジャケットやワンピース、ドレスはもちろん、デニム、レザージャケット、ダウン、作業着、スポーツウェア、学生服、柔道着(!)まで、どんなものでもお受けしております。

今回も、そんな「こんなこともやっていますよ」というお直しを紹介させていただきます。

お直し前 -アイテム-

今回はネクタイになります。
ネクタイは、クールビズの一般化でどんどんと馴染みの薄いものになってはいますが、スーツスタイルを引き締めるにはなくてはならないアイテムです。
ネクタイは、顔のすぐ下で、コーディネイトの中心に来るアイテムなので、色や柄には気を使っている方は多いと思います。ただ、多くの方が忘れているのが「長さ」の問題です。

下記の写真を御覧ください。
一般的な長さである146cmのネクタイを少し小柄な弊社スタッフが締めた様子です。色柄は洒落ていますが、とくかく長く見えます。首の細さや身長によって、一般的な長さのネクタイでもこのような見え方になってしまうのです。
ネクタイの結び方を工夫して、長さを調整する方法はないことはないですが、以上に太い結び目になってしまい、見栄えがどうも落ち着きません。そのため、今回はネクタイをバランスよくカットして長さを調整するお直しを行いました。

IMG20190413211459

お直し後 -アイテム-

彼の身長に合う最適な長さを算出し、ネクタイの大剣と小剣のバランスを見ながら、長さを調整いたしました。
洋服と同様に、ネクタイにもその人にあったサイズというものがある、というのはなかなかマニアックに思えるかもしれませんが、こうした部分にも気を使うことで、人からの見え方が変わっていきます。

IMG20190504193611

一般的なサイズダウンだけではなく、リメイクも、ぜひご検討ください。

スーツからスプリングコートへ!

多くのお客様から、こんなお声を頂戴することが多くございます。
「女性ものも直せるんですか?」、「デニムも持ってきていいんですか?」。
もちろん、大丈夫でございます。

スーツのお直しが最も多い我々でございますが、決して、スーツ専門、男性専門ではございません。
レディースのジャケットやワンピース、ドレスはもちろん、デニム、レザージャケット、ダウン、作業着、スポーツウェア、学生服、柔道着(!)まで、どんなものでもお受けしております。

今回も、そんな「こんなこともやっていますよ」というお直しを紹介させていただきます。

お直し前 -アイテム-

こちらはパンツスーツです。昔はお仕事等でよく着ていたスーツ。
しかし歳を重ねる毎に着る機会も少なくなり、また体型の変化もありジャケット自体も少しタイト気味になってしまいきつく感じてしまう。。などこのままでは着れないとのお悩みを持った方も多いのでは?

そこで今回は、ジャケットとパンツをミックスして「軽く羽織れるスプリングコート」へのリメイクをご提案させて頂きました。それぞれのアイテム自体をミックスして新しい物へ作り替えるという発想です。

お直し前
お直し前

お直し後 -アイテム-

ご覧の通り、素敵なスプリングコートに変貌いたしました!
パンツを着丈と衿元に再利用し、カチッとした印象のテーラードカラーをショールカラーに変更し、柔らかい印象に仕上げました。また身幅もサイズアップしております。

女性らしく、またカジュアルにも着れるスプリングコートとして活躍するワードローブの仲間入りとなりました!

お直し後

一般的なサイズダウンだけではなく、リメイクも、ぜひご検討ください。

コートからマントへ!

多くのお客様から、こんなお声を頂戴することが多くございます。
「女性ものも直せるんですか?」、「デニムも持ってきていいんですか?」。
もちろん、大丈夫でございます。

スーツのお直しが最も多い我々でございますが、決して、スーツ専門、男性専門ではございません。
レディースのジャケットやワンピース、ドレスはもちろん、デニム、レザージャケット、ダウン、作業着、スポーツウェア、学生服、柔道着(!)まで、どんなものでもお受けしております。

今回も、そんな「こんなこともやっていますよ」というお直しを紹介させていただきます。

お直し前 -コート-

こちらは、見ての通りのコートです。素敵な色合いのグレーではございますが、なかなかお召になる機会がないとのこと。
こうした「良いのだけれど、あまり着ない」というお洋服は誰しもが持っているものです。デザインなのか素材なのかサイズなのか飽きなのか、、、理由は様々ですよね。
今回は、色合いや素材などは気に入っておられるとのことだったので、「コートをマントへリメイクする」というご提案をさせていただきました。コートとしては使いづらいのであれば、コートにこだわらず、アイテム自体を別のモノに変えてしまおう、という発想です。

お直し前
お直し前

お直し仮縫い -マント-

今回は、コートからマントへ!ですので、デザイン、形を変えるリメイクになります。そのため、完成後のイメージやサイズ感をより具体的にご確認いただけるよう、「仮縫い」という工程を挟ませていただきました。
仮縫いは、オーダーメイドで採用される工程の一つで、しっかりと縫い付ける前に、仮縫い用のほどきやすい糸で仮止めをして洋服を作り、それをご試着していただいて、サイズやデザインなどの最終的な確認をしていただく工程のことです。
下の写真でも、白い糸が見えているかと思いますが、これが仮止めをしている糸になります。この時点であれば、サイズを大きくしたり小さくしたりすることもある程度可能で、デザインも限界はありますが、変更可能です。

仮縫い
仮縫い

お直し後 -マント-

ご覧の通り、素敵なマントに変貌いたしました!
マントと聞くと、珍しいもののように思えて、普段使いにくい印象が出てきますが、和装洋装問わず使えるのと、さっと羽織られること、袖ないので腕が動かしやすいなど、メリットの多いお洋服でもあります。

お直し後
お直し後

一般的なサイズダウンだけではなく、リメイクも、ぜひご検討ください。

チャイナドレスのお直し

多くのお客様から、こんなお声を頂戴することが多くございます。
「女性ものも直せるんですか?」、「デニムも持ってきていいんですか?」。
もちろん、大丈夫でございます。

スーツのお直しが最も多い我々でございますが、決して、スーツ専門、男性専門ではございません。
レディースのジャケットやワンピース、ドレスはもちろん、デニム、レザージャケット、ダウン、作業着、スポーツウェア、学生服、柔道着(!)まで、どんなものでもお受けしております。

今回は、そんな「こんなこともやっていますよ」というお直しを紹介させていただきます。

お直し前 -チャイナドレス-

こちらは、いわゆるチャイナドレスになりますが、かなりタイトなシルエット故に、体型の変化と共に着なくなってしまう方も多いお洋服です。
タイトで、さらにノースリーブのこちらのチャイナドレスを、お直しとリメイクで再度お楽しみいただけるお洋服にいたしました。

お直し前
お直し前

お直し後 -チャイナドレス-

タイトなシルエットは、背中部分を開き、そこにレース生地をあしらって、身幅を広げ、ノースリーブには背中で使ったものと同じレース生地でを使って、新たに袖をお作りいたしました。
ダークカラーの落ち着いたレースを用いることで、チャイナドレスがより一層上品なドレスとなりました。

お直し後
お直し後